・筋トレをしながらタバコも吸っている
・タバコは筋トレに影響するのか知りたい
・禁煙をしたくてもできない
この記事では、そんなお悩みを解決します!
健康を意識して筋トレを始めた方でも、「禁煙したくてもできない!」「少しなら大丈夫だよね」なんて思っていませんか?
タバコは依存性の高い嗜好品です。
筋トレやスポーツをしている人の中にも、身体に良くないと分かっていながらも、なかなか止められず悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
実は、喫煙が筋トレに与える影響は深刻です。
そこでこの記事では、タバコが筋トレに及ぼす影響と、タバコを止めるためのコツについて解説します。
もくじ
タバコが筋トレに及ぼす7つの影響

ある研究論文によると、喫煙をすると筋トレ効果が半減するとまで言われており、喫煙はさまざまな悪影響を及ぼすことがわかります。
こちらでは、喫煙が筋トレにどのような影響を及ぼすのか、具体的な7つのデメリットをご紹介していきます。
1.運動能力の低下
2.心肺機能の低下
3.超回復への影響
4.血圧・心拍数の上昇
5.コルチゾールによる筋肉の分解
6.モチベーションの低下
7.集中力の低下
それぞれについて詳しく解説します。
運動能力の低下

タバコによる喫煙をすると、肺の機能が低下することで酸素を取り込む力が弱まり、持久力の低下を引き起こします。
また、タバコに含まれる「ニコチン」の影響で、筋力や瞬発力が低下するといわれています。
ニコチンには、脳や神経を興奮させる作用があります。
喫煙を続けると神経が刺激に慣れてしまい、タバコなしでは興奮しづらくなるといわれています。
その結果、筋力や瞬発力が低下するというデータがあります。
(参考:アスリートの喫煙「百害あって一利なし」 日本禁煙科学会シンポジウム)
さらに、身体を動かすエネルギーは、摂取した食物から取り出すことになりますが、分解の際に多くの酸素を必要とするため、喫煙による酸素不足は、身体全体のエネルギー供給に悪影響を及ぼします。
これは、無酸素運動である筋トレはもちろんのこと、ランニングのような有酸素運動ではあればその影響は躊躇に感じるはずです。
心肺機能の低下

タバコがもたらす最大の悪影響といえるのが、心肺機能の低下です。
低~中負荷の比較的高回数のトレーニングを行う場合、一定時間筋肉を動かし続けるためには継続的に筋肉に酸素を供給することが必要です。
しかし、タバコの煙には有害物質の一酸化炭素が含まれており、一酸化炭素はヘモグロビン結合度が高く、本来なら酸素と結合するヘモグロビンは一酸化炭素と結合して酸素運搬を阻害するのです。
体内での酸素運搬が減った結果 、1分間に体重1kgに対して取り込める酸素の量を示す「最大酸素摂取量」が低下します。
このことは、喫煙とスポーツの関係を研究した多くの論文でも報告されています。
つまり、酸素不足を招き、スタミナがなくなるということ。
この状態になると、筋肉に十分な酸素が供給されなくなるため、息が上がりやすくなるだけでなく、本来のパフォーマンスを発揮できないといった影響を及ぼします。
超回復への影響

喫煙が与える悪影響は、パフォーマンスを左右する能力だけではありません。
身体を回復させる能力も低下させてしまうのです。
「超回復」とは、筋トレにより傷がついた筋繊維が、24~72時間休息をとる間に修復し、以前よりも筋肉量が増加する現象のこと。
喫煙は、基礎代謝を低下させる働きがあるため、筋トレ後の超回復の効率を低下させるという悪影響を及ぼします。
これは、基礎代謝の低下による自然治癒力の低下によって引き起こされるもので、超回復の効率が低下すると、筋肉の合成スピードや脂肪燃焼のスピードの低下へと繋がっていきます。
また、タバコを吸うことで「酸素欠乏症」になると、超回復のために必要な新陳代謝の低下やスタミナの減少を引き起こします。
血圧・心拍数の上昇

タバコに含まれている依存性物質である「ニコチン」は、血圧・心拍数を上げるという悪影響があります。
血圧が上昇すると、身体全体に行き渡る血流が悪くなり、呼吸が苦しく感じたり、疲労感を感じるといった症状が表れます。
そのため、普段では当たり前のようにこなせる強度の筋トレでも、より過酷なものと感じてしまい、モチベーションの低下につながりかねません。
また、引き起こされる疲労感により集中力の低下を引き起こすことで、トレーニング中に怪我をするリスクも高まります。
コルチゾールによる筋肉の分解

タバコは身体にとって大きなストレスです。
そのため、喫煙は「コルチゾール」というストレスホルモンの過剰分泌を促し、結果として筋肉が分解されるのです。
コルチゾールには、血糖値をコントロールする働きがあり、エネルギー源の糖を生成するために筋肉を分解して糖を作るという作用があるので、注意が必要です。
筋肉が分解されると、代謝も低下して太りやすく痩せにくい体になります。
モチベーションの低下

タバコによる喫煙によって筋トレ中の呼吸が苦しくなったり、普段よりも過酷に感じると「ストレス」になります。
タバコによって普段よりも大きく身体的・心理的に負担を感じてしまうと、筋トレを継続するモチベーションの低下を引き起こします。
これは、本来であれば到達できるであろう限界までのトレーニングを、限界手前で止めてしまうことで結果的に、思うような筋トレの成果を得られなくなってしまうことも考えられます。
ある研究によると、喫煙者と非喫煙者のトレーニング強度について実験をしたところ、喫煙者の方がトレーニングの途中で早期離脱する傾向が高いという結果も出ています。
たばこによるモチベ―ションの低下は、結果的に筋トレ効果を弱めることにつながります。
集中力の低下

上でも軽く触れましたが、タバコによる喫煙は集中力の低下を引き起こします。
筋トレに取り組む上で集中力の維持は非常に重要な要素の一つであり、高重量を扱うトレーニングでは、一瞬の集中の乱れが大惨事を引き起こしかねません。
高負荷のトレーニングでは、集中力の低下により反応速度も鈍くなるため、関節・筋肉を痛めてしまうリスクも考えられます。
また、怪我のリスクが高まるだけでなく、集中力が低い状態だと本来鍛えたい部位への意識が弱まることで適切な負荷を掛けられなくなった結果、筋トレの効果が弱まることにも繋がります。
タバコを止めるための7つのコツ

筋トレに悪い影響を及ぼすからといって、禁煙するのは簡単なことではありません。
こちらでは、タバコをなかなかやめることができない方へ向けて、禁煙の7つのコツについて解説します。
1.禁煙開始日を設定しよう
2.禁煙する理由を書き出そう
3.周囲の人に禁煙を宣言しよう
4. 自分の喫煙行動や習慣を見直そう
5. 無意識→意識的に
6. 禁煙補助薬の活用
7. 禁煙治療用アプリの活用
それぞれについて詳しく解説します。
禁煙開始日を設定しよう

禁煙開始日は、仕事や予定にゆとりがあり、ストレスの少ない休日や休暇中などがよいでしょう。
禁煙開始日を決めたら、カレンダーに○をつけたり禁煙宣言書を作り見やすい場所に貼ったりすると禁煙開始への意欲が高まります。
誕生日や記念日など自分にとっての特別な日もおすすめです。
禁煙する理由を書き出そう

禁煙を成功させるためには、禁煙したい気持ちを高めておくことが必要です。
筋トレのため、健康のため、家族のためなど、自分が禁煙したいと思う理由を書きだしましょう。
禁煙開始後に辛くなったときでも、初心に戻って禁煙について考え直すことができ、再喫煙防止にもなります。
周囲の人に禁煙を宣言しよう

禁煙開始することを、家族や友人、職場の人に宣言してみましょう。
決意を言葉にすることで禁煙の意識はさらに高まります。
周囲の理解を得ることで相談したり、協力してもらうこともできます。(「禁煙宣言書」を活用しましょう)
自分の喫煙行動や習慣を見直そう

禁煙開始後2~3日をピークに禁煙の離脱症状(禁断症状)が現れます。
その後個人差はありますが、症状は緩やかに10~14日ごろまで続きます。この離脱症状(禁断症状)には、いくつか種類があります。
・無性にタバコが吸いたくなる
・強い眠気に襲われる
・イライラして集中できない
・頭痛がする
・一日中だるさを感じる など
禁煙開始後数日間は、「タバコが吸いたい!」という気持ちが1日数回出現することもあります。
そんなときにどんな対処をしたらタバコを吸わないでいられるかを事前に考えておくことで、吸いたい気持ちのコントロールをすることが可能となります。
タバコを吸いたい気持ちは1日中ずっと続くわけではありません。
また、タバコを吸いたくなる瞬間は長くはなく、一般的には「3~5分程度」と言われています。
そのため、タバコを吸うこと以外の方法で過ごせる代わりの3~5分の行動やタバコの代わりになるものを事前に考えておくことで、急な喫煙欲求にも対処が可能となります。
こちらのサイトの対処法の例を参考に、あなたのやりやすい方法を見つけて、吸いたい気持ちをそらしましょう。
無意識→意識的に

「無意識のうちにタバコを吸ってしまう」「いつの間にかまた火をつけていた」というようなことは喫煙者の方であればよく経験することでしょう。
無意識にタバコを吸ってしまうと、禁煙開始後もつい吸ってしまうということになりがちです。
禁煙前に一度、意識的にタバコを吸う練習をしましょう。
いつもと違う銘柄のタバコを吸ったり、タバコを持つ手を替えてみたりして「タバコを吸っている」という意識を持って吸ってみましょう。
可能であれば短時間でも禁煙できる時間を作り、できたら自分を褒めるという禁煙の練習をしてみるのもよいでしょう。
禁煙補助薬の活用

禁煙を楽に確実にしてくれる強力なサポーターが、「禁煙補助薬」です。
薬局や薬店で購入できるニコチンガムやニコチンパッチ、禁煙外来で処方されるバレニクリンなど、自分の力だけで禁煙するよりも比較的楽に禁煙することができます。
全国的な規模での治療成績の報告によると、12週間の禁煙治療を5回すべて受けた人では、約8割が治療終了時点で少なくとも4週間以上の禁煙に成功し、約5割が治療終了後9ヵ月間の継続禁煙に成功しています。
禁煙治療用アプリの活用

日々の生活の中で禁煙の手助けをしてくれるもう一つのサポーターが、「禁煙治療用アプリ」です。
喫煙者自身のスマートフォンにインストールして使用するアプリと、自分で吐く息の中の一酸化炭素濃度を測って喫煙状況をモニタリングできる器械を組み合わせた製品です。
日々の生活において個々の人に合わせたアドバイスを届けることで、心理行動面から禁煙のサポートをしてくれます。
禁煙治療アプリの利用には、禁煙外来で処方してもらう必要があります。
まとめ

今回は、タバコが筋トレに及ぼす悪影響やタバコを止めるためのコツについて解説しました。
タバコを止めることで、筋トレの本来の効果を最大限得られるだけでなく、なによりも健康的な生活を送ることができるようになります。
筋肉を成長させたいとは思いつつも、ついついタバコが止められないという人は、今回、解説したアドバイスを活用して、この機会に禁煙を成功させましょう。
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