・筋トレの効果を高めるためにはどんなストレッチが必要なの?
・そもそも筋トレにストレッチって必要なの?
・筋トレで疲れているのに、ストレッチをするメリットはあるの?
この記事では、そんなお悩みを解決します!
筋トレを行う際、ストレッチをせずに、いきなりトレーニングからスタートしてしまうという人も少なくありません。
しかし、実はいきなり筋肉に刺激を与えてしまうことは、効果的に筋トレを行うためにはもったいない行為なのです。
筋トレを行う前にストレッチを行うことで、しっかりと身体を準備させることができ、効果的に鍛えることができます。
そこで今回は、トレーニング前後のストレッチ方法を紹介するとともに、ストレッチを行うメリットや注意点についても詳しく解説していきます。
トレーニング前後にどのようにストレッチをしたらいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
筋トレにストレッチを取り入れるメリット

ストレッチが筋トレにもたらす効果は、以下の5つが挙げられます。
1.可動域が広がる
2.怪我の予防
3.クールダウン効果
4.疲労の回復
5. 副交感神経を優位にするリラックス効果
それぞれについて詳しく解説します。
可動域が広がる

ストレッチには、筋肉や関節を伸ばし柔軟性を高めるという目的があります。
そのため、筋トレ前にストレッチを行うと緊張状態にある筋肉がほどよく解れ、身体の可動域を広げることができます。
身体を動かせる範囲が広くなれば、その分筋トレのパフォーマンスを高めることにも繋がります。
怪我の予防

ストレッチをしないまま筋トレを行うと、いきなり身体に大きな負担がかかり怪我を引き起こす可能性があります。
その点、筋トレ前にストレッチを行えば、それがウォーミングアップ(準備運動)となり運動に向けた身体を作り上げるため、肉離れや怪我を防止することに繋がります。
クールダウン効果

トレーニング後の筋肉がクールダウンを求めている状態。
筋肉のクールダウンを怠ったままにしておくと、だんだんと足が上がらなくなるなど思ったように動けなくなっていきます。
では、筋肉が硬くなるとどんな影響があるのか。
筋肉が硬くなると、パフォーマンスの低下に繋がります。
また、身体のほてりや冷えなどさまざまな不調の原因にもなるため、ストレッチは欠かさず行いましょう。
疲労の回復

ストレッチには、身体の疲労回復をサポートする効果があります。
そのため、筋トレ後に行うと疲弊した筋肉をリラックスさせやすくなり、結果として疲れを解消しやすくなるのです。
筋トレ後の筋肉は、乳酸が溜まってパンパンに張った状態です。
トレーニング後も筋肉が収縮したままの状態だと疲労物質が流れにくくなり、なかなか疲労が抜けません。
次回の筋トレのパフォーマンスのためにも、疲労を回復させることは大切です。
ストレッチで収縮した筋肉をほぐしてあげることで 血流が良くなり 、疲労物質が流れやすくなって、筋肉痛やむくみを少なくすることや疲労回復が期待できます。
「翌日にまで疲れを残したくない」「筋肉痛を防ぎたい」という場合は、筋トレ後のストレッチを欠かさず行いましょう。
副交感神経を優位にするリラックス効果

筋トレをしているときには、自律神経の交感神経が優位になります。
交感神経が優位だと、興奮状態のままになるので、睡眠の質が落ちてしまったり体調不良の原因に。
ストレッチをすることで副交感神経が優位に働き、心身ともに落ち着かせることができリラックス効果が高まります。
自律神経のバランスを整えることは日常生活でも重要なことなので、筋トレ後はゆっくりとストレッチを行い自律神経を整えましょう。
筋トレ前のストレッチとは?

筋トレ前は「動的ストレッチ」を行いましょう。
動的ストレッチで、しっかり身体を動かすことでウォーミングアップになります。
動的ストレッチとは?

ラジオ体操や準備運動など、大きな動きで繰り返し関節を動かすことで、筋肉を縮めたり伸ばしたりするストレッチのことを「動的ストレッチ」といいます。
「ダイナミックストレッチ」とも呼ばれていて、筋肉をしっかりと動かすことで血流を良くして筋肉を温める効果があります。
筋肉が温まることで、ほどよく緊張状態が抜け、パフォーマンスの向上に繋がります。
一般的に筋トレや運動の前には、身体を温めたり柔軟性を高めたりできる動的ストレッチが良いとされています。
反対に、静的ストレッチを行うと、関節が緩み身体の力が抜けてしまいます。
リラックス効果や疲労回復が期待できるため、静的ストレッチは運動後に行うことをおすすめします。
「バリスティックストレッチ」は動的ストレッチの一種で、反動を使ったストレッチです。
可動域いっぱいで反動をつけるように過度に行うと、筋肉や関節を痛める可能性もあるので注意が必要です。
動的ストレッチのやり方

筋トレ前にするとより高い筋トレ効果を期待できる「動的ストレッチ」のやり方を、具体的にいくつか紹介します。
ぜひ、筋トレ前のウォーミングアップとして取り入れてみてください。
肩甲骨回し
①肘を軽く曲げて、手を肩のあたりに置く
②体幹をまっすぐに保ったまま、肘で円を描くように肩から大きく回す
わき腹
①手を組んで両腕を真上に伸ばす
②骨盤を固定したまま、上体を真横に倒し、バウンドさせる
足回し
①壁などに手をつき身体を支える
②膝を軽く曲げ、大きく円を描くように股関節から回す
股関節内旋
①脚を肩幅に開いてしゃがみ、両膝に手を置く
②片脚ずつ内側に倒し、入れ替える
前屈
①立った状態から両腕を前方に置く
②股関節から上体を前に倒し、バウンドさせるように繰り返す
筋トレ後のストレッチとは?

筋トレ後は「静的ストレッチ」を行いましょう。
しっかり筋肉を伸ばし、硬くなった筋肉を柔らかくすることが大切です。
静的ストレッチとは?

「静的ストレッチ」は、一定の方向に向かってゆっくりと筋肉を伸ばしたのち、その状態をしばらく維持するストレッチで、「スタティックストレッチ」とも呼ばれています。
じわじわと可動域を広げるように伸ばしていくことで、柔軟性が高まり可動域を広げることができます。
具体的には、伸びた筋肉が縮もうとする「伸張反射」を抑制することで、筋肉に無駄な緊張や負荷を与えないようにします。
これにより、クールダウン効果やリラックス効果が期待できます。
副交感神経を刺激することによるリラックス効果があり、運動前に行うと筋力が低下する可能性があるため、運動後に行うのが一般的です。
静的ストレッチのやり方

筋トレ後は、静的ストレッチを中心として凝り固まった筋肉をほぐすことで、血行を改善し、筋肉痛の回復を早める効果もあります。
一つ一つの動作を丁寧に最低20秒ずつ行うと良いでしょう。
首周り

首は重さが約5kgもある頭を支えているため、筋トレ後に疲れが溜まりやすい部分です。
首を回すだけでなくしっかりとほぐせるストレッチを取り入れることで、首の筋肉が柔らかくなります。
首を前後左右に傾けて手で少し負荷をかけましょう。
首のストレッチのコツは、顔や背中を動かすのではなく首だけを動かすように意識することです。
特に、首を前や左右に動かすときには背中も一緒に動きがちですが、首だけを動かすようにすることでしっかりと首の筋肉を柔らかくすることができます。
胸・肩

姿勢が悪いと胸の筋肉が衰退してしまいます。
その状態で筋肉を鍛えても、筋肉が収縮してますます姿勢が悪くなってしまうので、きちんとストレッチをしておきましょう。
背中を伸ばして椅子に座り、後ろで両手を組みます。
胸を斜め上に突き上げるように伸ばし、腕を斜め下にひっぱります。
胸のストレッチのコツは、背筋を伸ばしたままの状態で行うことです。
胸がしっかり開いているのを感じながらキープしましょう。
背中・肩甲骨

背中は姿勢を維持し、綺麗な後ろ姿を作るための筋肉がたくさんあります。
しっかりストレッチをしておきましょう。
体育座りをして、膝の下で両手を組みます。
背中を後方に引きながら丸め、両手で下半身を支えます。
この体勢でキープし、背中の伸びを感じてください。
背中や肩甲骨のストレッチのポイントは、背中を後方に倒していくときに背中と腕で引っ張り合うイメージを持つことです。
あごが上がってしまうと背中を上手に伸ばすことができないので注意が必要です。
腕・肩甲骨

腕のストレッチは両腕を使い、片方の手でもう片方の肘を持って引き寄せることで背中や二の腕の裏側をほぐすことができます。
腕のストレッチのコツは、上体を傾けないよう背筋を伸ばした状態をキープすること。
片方の手で肘を掴み引き寄せるときに猫背になりがちですが、視線を下に向けてアゴを引いた状態にするとまっすぐな状態を維持しやすくなります。
日常生活でも動かすことの多い腕は、筋トレ後に硬くなってしまう前にストレッチでほぐすことが大切です。
お腹

腹筋を筋トレメニューに取り入れている方は多いです。
お腹もしっかりほぐしておかないと、綺麗な腹筋を目指せません。
怪我や腰痛を防ぐためにも、お腹の筋肉もしっかり伸ばしておきましょう。
うつぶせになり、両手をついて上半身を起こします。
背中を反らせ、頭も後方に倒し、お腹をしっかり伸ばしてください。
お腹のストレッチのポイントは、背中の反動で反らせようとしないことです。
腰に負担がかからないように、無理のないところまでで大丈夫です。
太もも

ハムストリングスの筋トレを行った後には、太ももの前側を伸ばすストレッチを行うようにしましょう。
しっかりと伸ばすことで筋肉痛を軽減する効果もあるので、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動の後にもおすすめです。
片膝を正座するときのように曲げて座ります。もう片方の足は前方に伸ばします。
そのままゆっくり上半身を後ろに倒していきます。
できるだけ背中を反らさず、太ももの前側をしっかり伸ばすようにしましょう。
勢いをつけずにゆっくりと伸ばしていくことが大切です。
反対の足でも行うようにしましょう。
お尻

お尻の筋肉が硬直すると、股関節の動きが悪くなって運動やトレーニングに悪影響を及ぼします。
また、シルエットも悪くなってしまいますので、しっかりほぐしておきましょう。
体育座りをして、片足をもう片方の足の太ももに乗せます。
両手で軸にしている方の足を抱えて、そのままごろんと仰向けに寝転びます。
お尻の筋肉の伸びを感じましょう。
左右両方行ってください。
筋トレにストレッチを取り入れる際の注意点

ストレッチで無理をしてしまうと、きちんとした効果を得られないだけではなく、思わぬ怪我につながる可能性があります。
気持ちよくストレッチをするためにも、以下の4つの注意点をチェックしてみてください。
1. 筋トレ前のストレッチは8〜12分が理想的
2.トレーニングのターゲットの部位をほぐす
3. 痛気持ちいいくらいの力加減で行う
4. 呼吸を止めずに行う
それぞれについて詳しく解説します。
筋トレ前のストレッチは8〜12分が理想的

筋トレ前には、運動で利用するすべての筋群を8~12分でストレッチすることが望ましく、ストレッチ後に実際の運動を想定した準備運動をプラスすることが効果的とされています。
また種目に応じて身体を動かしながら行う動的ストレッチやバリスティックストレッチを取り入れるのも効果的です。
トレーニングのターゲットの部位をほぐす

ストレッチは非常に多くの種類があり、毎回全身のストレッチを重点的に行うと非常に時間がかかります。
胸のトレーニングであれば、胸と連動して使われる肩を重点的に行うなど、その後のトレーニングでメインに鍛える部位を考慮してストレッチしましょう。
また、筋トレをした後は筋肉が硬くなり血流が悪くなっているので、栄養素が身体にうまく循環しません。
そのままにしておくと、疲労の回復が遅くなってしまいます。
トレーニングした部位は特に硬くなっているので、その時のトレーニングで鍛えた筋肉を重点的にストレッチすることが大切です。
痛気持ちいいくらいの力加減で行う

痛いと感じるまでストレッチをしてしまうと、筋肉に負荷がかかりすぎてしまい肉離れや揉み返しなどのトラブルにつながりかねません。
いきなり痛いところまで伸ばすとかえって筋が固まってしまいます。
最初の5~10秒は身体が適度に伸びるためのウォーミングアップです。
伸ばしたい部分を意識しながらゆっくり20~30秒かけて伸ばしましょう。
痛いと感じなくても「伸びているな」と感じれば筋肉に作用しているので、無理のない範囲で行いましょう。
呼吸を止めずに行う

筋肉は息を吸うときに縮み、吐くときに伸びる性質があります。
ストレッチをして伸ばしたい箇所があるときは、ゆっくりと息を吐きながら行うことで筋肉をより伸ばすことができ、ストレッチの効果を高めることが可能です。
ゆっくりとした呼吸をするには腹式呼吸を意識するのがポイント。
また、ゆっくりとした呼吸は自律神経のバランスも整えることができるので、リラックス効果があります。
まとめ

筋トレとストレッチの関係について紹介しました。
トレーニング前後にストレッチを取り入れる際に、筋トレ前と筋トレ後で同じストレッチをするのではなく、動的ストレッチと静的ストレッチを使い分けることで、より筋トレの効率を高めることができます。
ぜひ、状況に応じて今回紹介した適切なストレッチを実践して、効率よく筋トレを行いましょう。
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