ストリクト法とチーティング法の使い分け【筋トレのセット法】

筋トレ基礎知識まとめ
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こんな方におすすめ

・トレーニングがマンネリ化してきた

筋力アップ筋肥大を目的としてトレーニングをしたい

・限界を超えて追い込みたい

この記事では、そんなお悩み解決します!

筋トレは、基本的にバーベルやダンベルなどの重りを上げ下げする行為です。

実はその上げ下げする行為自体にも異なるやり方があります。

それが「ストリクト法」「チーティング法」の2種類になります。

今回は、その2種類のトレーニングメソッドの概要やそれぞれの使い分け方について解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

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ストリクト法

Muscular man training his arms in gym

「ストリクト(strict)」とは「厳格な」とか「精密な」といった意味の単語です。

つまり、ストリクト法とは、基本フォームを「厳格に」守ったやり方で行う筋トレ方法のことです。

ストリクト法は、バーベルなどの重りを上げ下げする際の基本的・教科書的な動作になります。

そのため、特に筋トレ初心者はすべての種目においてストリクト法を採用すべきと言えます。

チーティング法

Massive screaming bodybuilder with a burning cogwheels inside his torso. Concept of bodybuilding workout and progress.

ストリクトフォームは、守るべきフォームであることは確かですが、中・上級者になるとマンネリ化や発達停滞期(プラトー)に陥ることがあります。

また、刺激に変化を付けて新たな成長を促したいと考える場合もあります。

そんなときに活用できるのがチーティング法です。

「チーティング(cheating)」とは、「不正行為」「ズル」といった意味の単語です。

つまり、チーティング法とは、基本フォームを守らず「ズル」をして、ストリクト法では挙がらないような重量を持ち上げる方法になります。

チーティング法はストリクト法とは違って、教科書的なフォームとはかけ離れているので、初心者が用いるものではなく、筋トレ中・上級者によく用いられる手法になります。

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ストリクト法とチーティング法のフォームの違い

Trainer and client doing workout at gym with dambbell. Young blonde with personal fitness trainer. Fitness concept. Closeup. Selective focus.

ストリクト法とチーティング法の具体的な違いとして、バーベルカールを例に挙げてみます。

バーベルカールは上腕二頭筋を鍛える種目で、バーを持って肘を曲げ伸ばしする運動です。

ストリクト法を用いたバーベルカールは肘・肩・上半身を一切動かさず、シンプルに腕だけを曲げ伸ばしするようにします。

一方、チーティングを用いたバーベルカールはバーの上げ下げに伴って、肘の位置を前後させ、それと同時に上半身を前後に振ります

こうすることにより勢いがつき、ストリクト法では挙がらないような重量を挙げることが可能になります。

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ストリクト法とチーティング法の使い分け

Look There. Excited Guy Pointing Finger Aside At Free Space For Text. Yellow Background

ストリクト法とチーティング法はどちらが良い・悪いといったことはありません。

筋トレの目的や筋トレの習熟度によって使い分けるようにしましょう。

こちらでは、具体的な使い分け方について解説します。

ストリクト法を用いる場合

Serious strong African American young woman with curly hair lifting the barbell with both hands

ストリクト法は、筋トレ方法の基本となるので、筋トレ初心者~上級者まで、すべての人に効果的な方法になります。

筋トレ初心者の場合は、筋トレで筋肉に刺激を与えるのは勿論、筋肉に効くという感覚を覚えることが何よりも重要になります。

そのためには、狙った筋肉を単独で働かせる必要があり、他の筋肉の参加をできるだけ抑えることのできるストリクト法が効果的となります。

また、筋トレ上級者の場合でもストリクト法を採用するメリットは十分にあります。

筋トレ上級者は、あらゆる種目において使用重量が重くなっています。

扱う重量が重ければ重いほど、無理な体勢でバーなどを挙げてしまった時の、怪我のリスクが上昇してしまいます。

また、筋肉は上がっていく重量に適応することができますが、関節や腱の適応能力には限界があります。

なので、筋トレ上級者の場合、使用重量が上がりすぎて、これ以上重くなると怪我の可能性が出てくるといった場合、一度ストリクト法に戻して、使用重量をあえて落とすという選択肢もあるのです。

使用重量自体は下がってしまいますが、対象となる筋肉への負荷自体が下がるわけではないので、筋肉が小さくなってしまうことはありません。

チーティング法を用いる場合

An image of two men at the gym

チーティング法はストリクト法では扱えないような重量を挙げることができるので、ストリクト法では与えられないような新鮮な刺激を筋肉に与えることができます。

チーティング法は、特に筋力を向上させたいときに有効な手法になります。

なので、扱う重量が思うように伸びなくなってきたときに、筋力向上期間として期間限定でチーティング法を用いることが多いです。

スタッキングポイントの制限解除

Muscular man training squats with barbells on shoulders.

「スタッキングポイント」とは、動作の過程でもっとも困難な局面のことで、可動域の中でもっとも弱いポイントのこと

筋肉が伸びている状態から縮んでいく過程で生じ、急に挙げにくくなったり、それより上に挙げられなくなるポイントのことを指します。

例えば、ダンベルカールの場合は、腕を下ろしたところ(筋肉が伸びている)から挙げる過程(筋肉が縮んでいく過程)の肘を90度に曲げたあたりがスタッキングポイントになります。

レップのはじめは疲労度が少ないので、ポイントをスムーズに通過できますが、後半になると、そこから制限がかかったように挙げるのが困難になってきます。

そして、ストリクトフォームで行っている場合は、スタッキングポイントの影響で重量が制限されていることになります。

ここを越えれば、まだ反復できるのにスタッキングポイントが邪魔をしているのです。(初心者の方はトレーニングに慣れるまではストリクトフォームで行うことが必須です)

つまり、スタッキングポイントを通過した部分は、十分に効かせきっておらず、さらなる成長の余地を残していることになります。

そこで、制限を解除するときに用いるのが、チーティング法です。

スタッキングポイントから挙がらなくなったら、体を反らせたり、反動をつけてポイントを通過させた直後、残りの可動域は振り絞ってフィニッシュさせます。

あくまで、チーティングで挙げる範囲は、スタッキングポイントの通過までで、フィニッシュまで一気に持っていくことはしません。

フィニッシュまで一気に持っていくことは、動作の中~後半は力が抜けてターゲットとする筋肉に十分な負荷をかけることができないことに該当します。(下記で解説するネガティブレップ法との併用であればOK)

例えば、筋肥大目的で10レップを目標回数とした場合、ストリクトフォームで8レップ目までは何とかスティッキングポイントを通過したとしたら、9レップ目と10レップ目はチーティングを使って10レップを完了させる形になります。

これで、挙げる動作において十分に効かせることができます。

ネガティブレップ法の活用

Muscular man working out with a barbell. Specialization for biceps in bodybuilding.

「ネガティブレップ法」は、筋肉が伸びながら力を発揮(エキセントリック収縮)する動作を重視したレップの方法です。

エキセントリック収縮においては、筋繊維の微細な損傷が起きやすく、筋肥大に有効とされています。

なぜ、エキセントリック動作を重視する必要があるかと言うと、筋肉が縮みながら力を発揮するコンセントリック収縮(ポジティブ)よりも、筋肉が伸びながら力を発揮するエキセントリック収縮(ネガティブ)の方が強い力を発揮(20~30%ほど)できることが挙げられます。

つまり、ポジティブワーク(基本的には挙げる動作)ができなくなっても、ネガティブワーク(基本的には下ろす動作)ではまだ余力が残っている状態なのです。

これでは、挙げる動作の範囲においては追い込めていても、下ろす動作では十分に筋肉を追い込めてないことになります。

そこで、下ろす動作(または戻す動作)でも追い込む方法が、ネガティブレップ法になります。

ネガティブレップ法はパートナーに補助してもらう方法と自分一人で行う方法があります。

例えば、ダンベルカールをストリクトフォームで反復し、挙がらなくなったらパートナーに補助してもらって挙げます。

そして、下ろす動作では自力でゆっくりと下ろします。(最初から補助してもらい、ネガティブのみに集中する場合もあります)

上記でも説明したように、ネガティブワークでは余力が残っていますので、自力でもあと数回反復できます。

こうすることで、ポジティブのみに比べて、十分に筋肉を刺激することができます。

ここで、チーティング法を活用することができます。

ネガティブレップ法を自分一人で行う際に、チーティングを使います。

例えば、ダンベルカールを10レップ行いたいところをストリクトフォームで7レップで限界になったときに、チーティングを使って挙げます。

そして、下ろす動作ではブレーキを掛けながら、より意識してゆっくりと下ろします。

これを目標の10レップまで3回繰り返します。

このようにすることで、エキセントリック収縮の特徴を生かして筋肉に強い刺激を加えることが可能となります。

なお、使用重量、種目、やり方などにもよりますが、自分一人で行うネガティブレップ法は、チーティングを行うときにスタッキングポイントの解除も行われます。

ただし、スタッキングポイントの項で解説したような「チーティングを使うのはポイントの通過までに留めて、通過直後は力を振り絞って挙げる」ことは必ずしも求められません。

できれば(ポイントまで挙げられれば)ポイントの通過直後に力を振り絞るようにしますが、それも無理なほど疲労している場合や高重量を使っている場合は、チーティングを使い一気にフィニッシュまで挙げます。

そして、ネガティブを意識してゆっくり下ろすようにします。

基本的にはネガティブ重視となりますので、フィニッシュポジションまでのもっていき方は大きな要素ではありません。

以上のように、チーティング法は、ただやみくもに利用するのではなく、スタッキングポイントの制限解除やネガティブレップ法との併用など、効果を高めたいときにうまく活用することが大切です。

注意しなければならないのがチーティング法は飽くまで応用テクニックであり、常用すべきではないということです。

やはり、筋トレの基本はストリクト法であり、チーティング法は筋力向上などを目的とした期間限定的な使い方が正しい使い方となります。

以上が、ストリクト法とチーティング法の使い分けになります。

筋トレ初心者の場合はストリクト法を選択し、中級者以上の場合はそのときの状況に応じて、適度にチーティング法を織り交ぜることが効果的となるでしょう。

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まとめ

Strong little child wears protective helmet and cape, shows biceps, poses near hand made rocket, ready for exploring space, wants to be astronaut, isolated on blue wall. Children and interests concept

フォームを遵守して狙った筋肉にのみ負荷を与えるストリクト法と、全身の筋肉や反動を使って筋トレを行うチーティング法について解説しました。

筋肥大が目的のトレーニングは基本的にストリクト法を用いますが、最後の限界突破やマンネリ打破のためにチーティング法を上手く活用しましょう!

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