・筋肉を落とさずに脂肪を落としたい
・ダイエットのために筋トレと有酸素運動を取り入れたい
・筋トレと有酸素運動を効果的に組み合わせたい
この記事では、そんなお悩みを解決します!
「筋肉を増やしたいし、脂肪も落としたい……」
そんなとき、筋トレと有酸素運動はどのように組み合わせるといいのでしょうか?
そこでこの記事では、ダイエットのために筋トレと有酸素運動を取り入れたい方に向けて、効果を最大化させるために知っておきたい、組み合わせるメリット、効果的な順番、時間配分について解説します。
ダイエットのためにするべき運動とは?

運動は、「無酸素運動」と「有酸素運動」の2種類に分けられます。
基本的な違いとして、運動時に消費されるエネルギー源が挙げられます。
筋肉を動かすために、無酸素運動の場合は体内に存在する「糖」を、有酸素運動の場合は体内に取り込まれた「酸素」をエネルギー源として消費します。
筋トレ(無酸素運動)

高負荷を筋肉にかけることができ、短時間で大きなエネルギーを必要とする筋トレは無酸素運動に分類されます。
大きな負荷を掛け筋繊維に損傷を与えることができるため筋肥大にも繋がります。
また、筋トレは筋肉が増強し筋力が上がることで、血流が良くなったり酸素の供給量が向上します。
平常時の酸素量が増えることでエネルギー消費も増え、基礎代謝1の向上も期待できます。
筋肉1kgにつき50kcalほど基礎代謝が上がると言われています。
また筋トレなどの激しい運動を行うと、脳下垂体から成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンはその名のとおり骨や筋肉の成長を促すだけでなく、中性脂肪の分解を促す作用も持っています。
筋トレそのもので脂肪を燃焼させることはできませんが、脂肪が燃焼しやすい状態をつくることができるのです。
有酸素運動

一方、有酸素運動には、筋肉量増加の効果はほぼありません。
しかし身体の中に溜まっている糖質(グリコーゲン)や脂肪を燃料とするため、消費カロリーを増やすだけでなく血液中の中性脂肪やコレステロールを減らしたり、体脂肪を減らしたりする効果が期待できます。
そのためダイエット(短期的な体脂肪燃焼)には有酸素運動が向いていると言われています。
また、内臓脂肪も燃焼するため、高血圧や動脈硬化の予防や改善にも効果があることがわかっています。
主に、ウォーキングやランニング、水泳などが有酸素運動として分類され、これらを一日に合計20分以上行うことが脂肪燃焼に効果的だと言われています。
これまで運動習慣が無かった人が行うなら、最初はウォーキングや水泳などがおすすめです。
息が上がらない程度に、軽めの運動からはじめましょう。
筋トレと有酸素運動を組み合わせて行うべき5つの理由

筋トレは有酸素運動と組み合わせて行うことで、より効果を高められます。
こちらでは、筋トレと有酸素運動を組み合わせて行う5つのメリットについて解説します。
1.効率的に体脂肪を減らせる
2.筋肥大につながる
3.持久力が高まる
4.バランスの良い身体に鍛えられる
5.筋トレの疲労を軽減させられる
それぞれについて詳しく解説します。
効率的に体脂肪を減らせる

筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、相乗効果で、脂肪燃焼効率が上がります。
有酸素運動には体脂肪を減らす効果が、筋トレには基礎代謝を上げ、成長ホルモンの分泌を促進して、消費カロリーを増やす効果が期待できます。
筋肥大につながる

筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、筋肥大につながります。
理由は、有酸素運動を行うことで、筋肉に栄養が届きやすくなるためです。
有酸素運動を行うと毛細血管が発達し、酸素や栄養を筋肉に多く送ることができるため育ちやすくなります。
そのため、筋トレのみを行うよりも、有酸素運動を組み合わせて行う方が筋肥大の効果が高まるのです。
持久力が高まる

筋トレと有酸素運動と組み合わせることで、トレーニングの持久力が高まります。
有酸素運動によって、以下の効果が得られるためです。
・心肺機能の強化
・酸素摂取能力アップ
・筋グリコーゲンの使用率が減少
筋グリコーゲンは、筋肉の収縮に使われるエネルギー源です。
筋グリコーゲンを分解することでエネルギーとして活用していますが、その際に疲労につながる乳酸が分泌されてしまいます。
有酸素運動を行うと、酸素を消費しエネルギーを生み出すようになります。
そうすることで、筋グリコーゲンの使用率を減らし筋肉の疲労を抑えられるのです。
結果的に、トレーニングの持久力を高めることにつながります。
バランスの良い身体に鍛えられる

筋肉は、腹筋や上腕二頭筋など、部位ごとに鍛えられます。
しかし、体脂肪はどの部位も同じ割合で減っていきます。
そのため、脂肪を燃焼させる有酸素運動だけでは基本的にボディライン作りは難しく、筋トレを組み合わせることで、はじめてメリハリのあるバランスの良い身体を作れるのです。
また、筋トレにより基礎代謝が上がると持久力も上がり、太りにくく痩せやすい身体になります。
リバウンドしにくくなり、健康で若々しい身体を保てます。
筋トレの疲労を軽減させられる

有酸素運動も行うことで、筋トレの疲労を軽減させられます。
前述した通り、筋トレで使うエネルギーを抑えられるためです。
筋トレは、瞬発的に強い負荷のかかるトレーニングで、多くのエネルギーが必要となるため、エネルギー不足になるのが早く、疲労が溜まりやすいです。
一方、有酸素運動は、筋トレよりもエネルギーを生み出しやすい上に消費速度が遅いため、筋トレだけを行うよりもエネルギーが消費されにくく、疲労を抑える効果があります。
疲労が溜まりにくい分、より筋肉に負荷をかけられるようになり、トレーニング効果を高めることにつながります。
筋トレと有酸素運動の効果的な順番

それでは実際のトレーニング時には、筋トレと有酸素運動どちらを先に行うべきなのでしょうか。
ダイエットと筋肥大の目的別に効果的な順番について解説します。
ダイエット(脂肪燃焼)目的の場合

脂肪燃焼をさせてダイエットをしたいという場合には、「筋トレ→有酸素運動」の順番で行うのがおすすめです。
筋トレをすると、脂肪細胞を分解するはたらきのあるアドレナリンや成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは筋肉や骨、皮膚を強くする作用があり、筋トレにより傷付いた筋繊維を治すはたらきをしますが、脂肪燃焼を助ける作用もあります。
この作用は、24~48時間つづくと言われています。
このホルモン類が分泌された状態で有酸素運動を行うことで、効率よく脂肪を燃焼させることができます。
そして脂肪燃焼効率は体温が上がると高まるため、筋トレをすることで身体を温めることも効率アップに繋がります。
まずは、筋トレをしっかり行ってカロリーを消費した後すぐに有酸素運動を行うことで、短時間で大量の消費カロリーを稼げるということになります。
また、筋トレを先に行うことで身体が動きやすくなり、怪我のリスクを軽減させることができます。
ダイエット目的ではなく、筋トレに重点を置いているトレーニーの多くが、「筋トレ→有酸素運動」の順番でトレーニングを行っています。
というのも先に有酸素運動を行うと、体内に貯蓄されたグルコースが消費されてしまい、筋トレで強く追い込むことができなくなるためです。
加えて筋トレは有酸素運動よりも高い集中力を必要とします。
最大限のパフォーマンスをする上で、心身がフレッシュな状態である必要があるのです。
筋肥大目的の場合

筋肥大を目的として普段から筋トレを行っていて、新たに有酸素運動を取り入れたいという場合にも「筋トレ→有酸素運動」の順番が望ましいでしょう。
ただし可能な限り、同日実施は避けるのがベターです。
先述の通り、筋肥大を効率化する上では、そのときに蓄積されているグルコースを消費して、筋肉を可能な限り追い込む(オールアウトする)ことが非常に重要です。
運動時のエネルギー源としてグルコースを消費してしまう有酸素運動は、筋肥大を目的とした無酸素トレーニングを行う前には避けた方が賢明です。
また、オールアウトするまで筋肉を追い込んだ後には急に力が抜けてしまうこともあるので、怪我のリスクの観点でも無酸素運動の後の有酸素運動はしない方が良いと言えます。
加えて、筋肥大の効率を最適化するためには、運動直後、最も筋合成が活発になるタイミング(ゴールデンタイム)に速やかにタンパク質と炭水化物を摂取する必要があります。
したがって、筋肥大を目的としてトレーニングを行っている方が有酸素運動を取り入れる場合には、同日に実施するのはあまり推奨できません。
有酸素運動→筋トレだと効果はないの?

では有酸素運動を先に行った場合は、効果は無いのでしょうか。
体型維持や筋肉増強が目的であれば、有酸素運動を行った後で筋トレをしても問題ありません。
有酸素運動を行うことで血流が促進されるため、筋肉が温まり効率良くトレーニングできます。
また、心臓血管の健康を改善したい人も、有酸素運動から始めるべきです。
ただし、筋トレは身体に高負荷をかける運動なので、エネルギー不足の状態では適切な負荷がかけられず、無理をして怪我をするリスクが高まってしまいます。
もし先に行う場合、有酸素運動は10分程度の軽めに抑えるように注意してください。
また、運動に慣れていない人はこの順番は避ける方が良いでしょう。
毎日やってもいいの?効果的な回数について

筋トレをすると筋繊維が傷付き、それが修復される過程で筋肉が成長します。
この修復は、「超回復」と呼ばれ、トレーニング前よりも大きい筋肉になります。
一般的に超回復には24~72時間ほどかかります。
超回復を考慮してトレーニングを行う場合には、「分割法」と呼ばれるトレーニング方法が有効です。
分割法とは、日によって鍛える部位を分割するトレーニング方法で、トレーニング後の超回復期間の完了を待ってから同一部位のトレーニングを行えるため、それぞれの部位に休息を与えることが可能です。
一方、有酸素運動は負荷が軽めの運動なので、毎日行っても問題ありません。
毎日継続することで、基礎体力は向上していきますし、ダイエット目的の場合は毎日少しずつでも行うと効果が持続します。
ただ、毎日行うことに必ずしもこだわる必要はありません。
特に、筋肉痛やだるさを感じている場合は、その日は運動をやめて、しっかりと睡眠を取り、身体を休めてください。
以上のことから、有酸素運動を筋トレに組み込む場合は、
曜日 | トレーニング |
---|---|
月曜日 | 筋トレA |
火曜日 | 有酸素運動 |
水曜日 | 筋トレB |
木曜日 | 休息日 |
金曜日 | 筋トレC |
土曜日 | 有酸素運動 |
日曜日 | 休息日 |
といった具合に、分割した筋トレ実施日の中日に有酸素運動を取り入れることをおすすめします。
筋トレと有酸素運動の時間配分

筋トレと有酸素運動をどれくらいの時間配分で行うべきか、迷う人も多いかと思います。
筋トレと有酸素運動は、以下のような時間配分で行うのが効果的です。
別日に行うのがベスト

筋トレと有酸素運動は、別日に行うのがベストです。
理由は、それぞれ正反対の作用があり、効果が半減してしまうためです。
有酸素運動を行うと、脂肪と一緒に筋肉も燃焼します。
そのためせっかくつけた筋肉が、有酸素運動によって減少してしまうのです。
また、筋トレには筋肉や体脂肪を合成する効果があるので、有酸素運動にも悪影響です。
よって、筋トレと有酸素運動は、別日に行った方がより効果を高められます。
どうしても1日に有酸素運動と筋トレを分けてトレーニングを行う人は、少なくとも8時間は間隔を空けるようにしましょう。
ダイエット目的なら有酸素運動を多めに

・筋トレを先に、有酸素運動は30分以内
・30分がきつい人や時間が無い人は、5~10分でも可
ダイエットが目的の場合は、筋トレを先に、有酸素運動は30分以内が効果的です。
早く痩せたいからと長くやり過ぎず、30分までに収めるのがポイントです。
特に90分以上の運動は、「コルチゾール」というストレスホルモンが出過ぎてしまいます。
コルチゾールが過剰に分泌されると、代謝が落ちたり免疫機能が低下したりと、身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
そのため、健康のために運動しても、逆効果になってしまいます。
また、有酸素運動は、やり過ぎると筋肉量が落ちることがあります。
エネルギー不足になっても運動を行うと、身体は筋肉を分解してエネルギーを発生させようとします。
結果、運動をしているのに筋肉量が落ちてしまうことも。
よく、「有酸素運動は20分以上やらないと脂肪は燃焼しない」と言われますが、基本的には運動直後から体脂肪も燃え始めていますので、朝10分、夜10分などでも効果はあります。
連続30分がきつい人や時間が無い人は、短い時間でも大丈夫です。
すぐに効果が出なくても続けることが大事です。
筋肥大やスタイル維持が目的なら筋トレを多めに

・先に10分程度の有酸素運動、その後筋トレ
・筋トレは大きい筋肉(胸、背中、お尻)を優先し、時間があれば自分が引き締めたい部位も重点的にする
筋力増強や体型維持が目的の場合は、筋トレを多めにするのが良いでしょう。
先に10分程度、ウォーミングアップのための有酸素運動を行って、血流を促進した後に筋トレをすると効果的です。
まとめ

ダイエットのための運動は、筋トレと有酸素運動を組み合わせて行うことでより効果を高められるのでおすすめです。
筋トレには成長ホルモンの分泌を促進し、基礎代謝を上げて消費カロリーを増やす効果が、有酸素運動には体脂肪を減らす効果が期待できます。
今まで思うように筋肉がつかず、脂肪がなかなか減らなかった人は、順番や時間配分を間違えていたことが原因かもしれません。
今回解説した、筋トレと有酸素運動の効果を高める適切な順番、時間配分をトレーニングに取り入れて、健康的に理想の身体を追い求めましょう。
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