・フォームローラーの効果を知りたい
・フォームローラーの使い方を知りたい
・筋膜リリースについて知りたい
この記事では、そんなお悩みを解決します!
筋肉をマッサージして、ほぐすことで身体の調子を整える「筋膜リリース」。
全身のこりや痛み、筋バランスの崩れによる姿勢の悪さなどを改善するほか、関節の可動域を拡大させ、日常生活動作をスムーズにする、運動パフォーマンスを上げるといった効果も期待できます。
そんな筋膜リリースにおすすめのセルフケアアイテムが「フォームローラー」。
フォームローラーを使うことで、より効果的で簡単な筋膜リリースが可能になります。
今回は、フォームローラー及び筋膜リリースの概要やストレッチポールとの違い、得られる効果、基本的な使い方、使用する際の注意点、使用頻度やタイミング、おすすめする人などについて解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
フォームローラーとは?

フォームローラーとは、ストレッチやマッサージなどセルフケアで使用される筒状のフィットネスアイテムのこと。
筋膜を効率的に動かすことを目的にした「筋膜リリース」や肩甲骨の動きをなめらかにするマッサージ法「肩甲骨はがし」といったメソッドで使われます。
ストレッチローラーやマッサージローラーとも呼ばれ、足や腕など身体の各部分に押し当てコロコロと転がすことで手軽に筋肉をほぐすことができます。
全身のこりや姿勢の改善など、身体を整えるだけでなく、運動のパフォーマンスが上がるとアスリートのトレーニングにも取り入れられています。
また、むくみ解消やボディメイクにも効果があると、近年は若い女性からも人気を集めています。
血行がよくなることで身体を動かしやすくなるため、運動前のウォーミングアップや運動後のクールダウンにおすすめです。
気軽に自宅で使用できたり、体重のかけ方次第で刺激の強度を調整できたりする点も魅力のひとつ。
運動を行っている方はもちろんですが、日常的に疲労を強く感じている方にもおすすめのアイテムです。
フォームローラーにもなめらかなものや凹凸のあるものなどさまざまな形状があるので、自分に合ったアイテムを見つけましょう。
筋膜リリースとは?

そもそも、「筋膜リリース」とは何でしょうか?
こちらでは、筋膜の説明とそれに関連する連鎖反応について知ることで、筋膜リリースについての理解を深めましょう。
「筋膜」とは筋肉全体を覆う薄い膜

「筋膜」とは、全身の筋肉全体を覆う薄い膜のこと。
筋肉の伸張を助け、筋肉の形状を保つほか、内臓などの内部器官の位置も固定する役割があります。
鶏肉の料理をする際、その皮と肉の間に白い膜があり、それを包丁で切る際に苦労した経験はないでしょうか?
その薄く白い膜が「筋膜」になります。
筋膜は、85%の水分と2種類の繊維状タンパク質(コラーゲンとエラスチ)で構成され、網目状になっています。
筋繊維一本一本の中にまで入り込んで全身にくまなく張り巡らされているため、「第2の骨格」と呼ばれています。
縮んだりよじれたりしやすい特徴があり、この筋膜自体は巻きつくようにつながって全身を覆っているので、どこか一部にねじれが生じると連鎖反応を起こし、徐々に広がる傾向にあります。
この不具合が、身体の凝りや痛みの原因とされています。
筋膜リリースの目的は「ねじれ」の解消

筋膜の癒着やねじれを解消して、正しい筋や筋肉の動きを回復させるのが「筋膜リリース」です。
筋膜リリースによるケアを定期的に全身の範囲で行うことで、筋肉の柔軟性や関節の可動域が取り戻され、血液やリンパ液の流れもよくなると考えられています。
筋膜リリースには、必ずしも道具が必要ではありません。
自分の身体の硬い部分や伸びにくい部分を、時間をかけてストレッチのように伸ばしていくことでも可能です。
しかし、フォームローラーを使うことで、より効果的で簡単な筋膜リリースが可能になります。
ストレッチポールとの違い

フォームローラーと同じような形状のフィットネスアイテムに「ストレッチポール」がありますが、使い方や用途は異なります。
<フォームローラーとストレッチポールの主な用途と特徴>
フォームローラー | ストレッチポール |
・比較的硬く、表面に凹凸がある ・主に筋膜リリースに使用する ・血流促進、肩こりやむくみの解消などの効果に期待できる | ・比較的柔らかく、表面に凹凸はない ・主にストレッチに使用する ・姿勢の改善、体幹トレーニングなどの効果が期待できる |
ストレッチポールは上に仰向けに寝転がり、ゆっくりストレッチをして姿勢や体幹を整えます。
一方、フォームローラーは表面に凹凸があるため、筋肉の奥まで刺激してほぐすことができます。
固まった筋肉をほぐしたい、むくみや肩こりを解消したいという人にはフォームローラーがおすすめです。
フォームローラーによる筋膜リリースの効果

フォームローラーは硬くなってよじれた筋膜を一度はがすように整えて、元の柔らかくのびのびした状態へと戻すのに役立ちます。
そうすることで筋肉の可動域を広げたり、より良いマッサージ効果も期待できます。
具体的には、主に次の5つの効果が期待できます。
1.マッサージ・リラックス効果
2.ゆがみ改善
3.疲労回復効果
4.ストレス・感情の放出
5.柔軟性・パフォーマンスの向上
それぞれについて詳しく解説します。
マッサージ・リラックス効果

フォームローラーによって、筋肉および筋膜を緩め、柔軟にしてマッサージ効果を高めていきます。
また、組織の弛緩によってリラックス効果も感じることができます。
ゆがみ改善

筋膜の短縮(原因は姿勢の問題、精神的、ケガや手術などによって起こる身体のゆがみやねじれ、ストレス)がリリースされることで筋膜が柔らかくなり、ゆがみ改善の効果が期待できます。
また、ゆがみからくる首こりや肩こり、腰痛などの緩和も期待できます。
疲労回復効果

筋膜はリンパや血管も包んでいるため、筋膜の動きが悪くなると、これらの流れが悪くなり、免疫や代謝にも問題が出てきます。
筋膜リリースを行うことによって筋膜の動きがなめらかになり、栄養や老廃物の交換が効率よく行われ、冷えにくくむくみにくい身体へ。
疲れを溜めにくい身体へ導くことが期待できます。
ストレス・感情の放出

アメリカの研究では、「事故や精神的なショックなどの外的なハプニングが、カセットテープのように筋膜にも記憶される」と考えられています。
苦手な人の前では勝手に身構えてしまうといった現象は、筋膜の記憶装置によるものと言えます。
筋膜リリースを行ったときに、溜まっていた感情があふれ出すことがあります。
その場合、疲労感や爽快感といった感覚が出てくることがあります。
人によってさまざまですが、思いっきり泣いたあとのような感覚に似ているかもしれません。
柔軟性・パフォーマンスの向上

筋膜の中には、身体の位置や動きに関する情報を感知する器官や神経が存在します。
筋膜リリースが行われると位置覚が改善し、身体の位置や姿勢、動きの情報がうまく伝わるようになります。
位置覚とは、視覚などに頼らずに自分の身体の部位がどの位置にあるかを判断する深部感覚のこと。
筋膜をほぐすことで細かい力の伝達が改善されて感覚が研ぎ澄まされていくため、柔軟性やパフォーマンスの向上が期待できます。
フォームローラーの基本的な使い方

1.腰・お腹・背中・肩甲骨・ふくらはぎ・太ももなど、ほぐしたい部位をフォームローラーの上に置き、自重の負荷を掛けます。
2.身体の凝りが気になる部分に、フォームローラーが当たるように位置を調整します。
3.フォームローラーを当てる場所が定まったら、ゆっくりとしたペースで揺らしながら、筋肉を刺激していきます。
4. クールダウンやウォームアップで使用する方も多いですが、フォームローラーが終わったら、ストレッチを行いましょう。関節の可動域をさらに大きく広げ、血流を促進する効果があります。
首や肩のコリが気になる方は、二の腕の外側やワキの下などに押し当てて動かします。
腰の場合は、痛みの原因となるお尻の筋肉をほぐしましょう。
背中の場合は、仰向けになって背中の中心にセットし、頭部に向かって転がすのがポイントです。
太ももの場合は、前・後ろ・外側など当てる部位を変えながら転がすのがおすすめ。
ふくらはぎの場合は、足をクロスさせ、片方ずつ圧力を掛けながら動かしてみましょう。
フォームローラーを使用する際の注意点

フォームローラーを骨や関節に当てて使用するのは危険です。
骨や関節以外の箇所でも強く押し当てすぎると筋肉を痛めてしまうこともあるので、力加減に注意しながら使用しましょう。
また、フォームローラーを長時間使用して筋膜リリースを必要以上にやりすぎると、皮膚や筋肉を傷める恐れがあります。
商品の素材や身体の部位によっても前後しますが、1ヵ所につき30〜60秒程度、身体を鍛えている人は60〜90秒程度を目安にして、長時間の使用は避けましょう。
身体の痛みや筋肉の違和感がある場合は無理をせず、専門の医師に相談しましょう。
また、以下のような人はフォームローラーの使用を避けた方がいいとされています。
<フォームローラーの使用を避けた方がいい人の例>
・悪性腫瘍、動脈瘤(りゅう)、皮膚炎などの持病がある人
・骨折、骨粗しょう症、ねんざ、肉離れなどの疾患がある人
・発熱の症状や倦怠感がある人
・妊娠初期または出産直後の人
電動フォームローラーの場合は上記に加えて、ペースメーカーや人工心肺などを使用している人や心臓疾患や血圧異常がある人も使用を避けましょう。
フォームローラーの使用頻度やタイミング

フォームローラーの効果をしっかり持続させるためには、毎日の使用がおすすめです。
毎日使うことで、筋肉や関節を理想的な位置に保つことができます。
1ヵ所につき30〜60秒程度の使用なので、全身に使っても10〜15分程度で十分なケアができます。
フォームローラーの使用後は、筋肉の柔軟性が増し関節の可動域も広がるため、運動のパフォーマンスや効果がアップします。
そのため、運動前や朝に使用すると、脂肪燃焼効果が高まりダイエットにも効果的だといえるでしょう。
また、フォームローラーを使うと血流がよくなりリラックスできるので、就寝前の使用もおすすめです。
フォームローラーはこんな人におすすめ

フォームローラーは、以下のような人におすすめです。
・肩や首のこりに悩んでいる人
・腰のハリが気になる人
・冷え性を抱えている人
・むくみを解消したい人
・立ち仕事を行っている人
・デスクワークを行っている人
・コンディションを整えたい人
・バランスのいい身体づくりを目指している人
・ジムに通うのが苦手な人
・マッサージや整体に行く時間がない人
・筋肉の疲れをとりたい人
・運動パフォーマンスやトレーニングの効果を上げたい人
フォームローラーで筋膜リリースを行うと、関節の動きが大きくなり、運動やトレーニングの効果がアップするといわれています。
また、筋肉や骨が正しい位置に戻り血流やリンパの流れが良くなるため、こりやむくみの解消や冷え性の改善にも効果的です。
基礎代謝が上がるとされており、ダイエット効果をアップさせるという報告もされています。
まとめ

フォームローラーで筋膜リリースによるケアを定期的に全身の範囲で行うことで、筋肉の柔軟性や関節の可動域が取り戻され、血液やリンパ液の流れもよくなることで、基礎代謝の向上・こりやむくみの解消や冷え性の改善・運動やトレーニング、ダイエットの効果アップが期待できます。
フォームローラーを使って身体のメンテナンスを行い、ダイエットやトレーニングの質を向上させましょう!
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