・筋トレとお酒を両立したい
・お酒を飲みたいけど筋肉に悪くないか心配
・筋トレの効果を落とさないようにお酒を飲みたい
この記事では、そんなお悩みを解決します!
筋トレを行っている人の中にも、お酒が好きな方がいらっしゃると思います。
実際に、プロのアスリートの方でもよくお酒を飲んでいる方もいます。
しかし、お酒は筋肉に悪い影響があるという話をよく聞くと思います。
実際にアルコールは身体にどのような作用を及ぼしているのでしょうか?
また、筋トレとお酒の両立はできないのでしょうか?
そこでこの記事では、筋トレとお酒を両立したい方に向けて、お酒を飲むことで身体に起こる影響と筋トレ後にお酒を飲むときに抑えるべきポイントについて解説します。
もくじ
筋トレ後にお酒を飲むことで身体に起こる5つの影響

結論からいうと、筋トレ後の飲酒は控えることをおすすめします。
なぜなら、アルコールが身体づくりに以下のような影響を与えてしまうからです。
1.筋肉が分解されてしまう
2.筋肉増量が抑制されてしまう
3.脱水症状になる可能性がある
4.睡眠が浅くなってしまう
5.体脂肪がつきやすい
それぞれについて詳しく解説します。
筋肉が分解されてしまう

お酒を飲んでしまうと、せっかく鍛えた筋肉量が減り、筋トレが無駄になってしまう恐れがあります。
飲酒すると「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンが増加。
コルチゾールには血糖値をコントロールする働きがあり、エネルギー源の糖を生成するために筋肉を分解して糖を作るという作用があるので、注意が必要です。
また、最近の研究(参考:Dysregulation of skeletal muscle protein metabolism by alcohol)では、アルコールが骨格筋タンパク質バランスに関与し、時間の経過とともに筋肉の衰弱を生み出すことがわかっています。
これは、アルコールがおもにタンパク質合成を損なうことを示唆しています。
このアルコール阻害効果は、細胞の成長と代謝の促進を調節するリン酸化酵素であるmTORの中のタンパク質の相互作用の変化、mTORの活性の低下によって起こり、細胞の成長と代謝および筋肉合成を3割程度減少させるという研究結果もあります。

オーストラリアのRMIT大学で、8人の運動習慣のある健常者(平均年齢21.4歳)を対象にした研究。
(PLoS One. 2014 Feb 12;9(2):e88384. を基に作成)
以上のことから、せっかく鍛えた筋肉を分解してしまわないためにも、お酒を飲むのはなるべく控えましょう。
筋肉増量が抑制されてしまう

筋トレを行うと、筋肉を生成するのに重要な男性ホルモンの「テストステロン」を分泌します。
このテストステロンは、筋肉や骨を形成し、精力にも関係する大事なホルモンです。
しかし、アルコールを飲んでしまうと、このテストステロンの分泌を抑制する作用がはたらいてしまいます。
せっかく筋トレをしてタンパク質を摂っても、テストステロンが分泌されないので、筋肉の合成が妨げられてしまうのです。
また、アルコールは肝臓で代謝が行われます。
その際にタンパク質を利用して代謝が行われるのです。
そのため、筋肉を修復するのに必要なタンパク質が筋肉にまで行き届かず、アルコールの代謝のために消費されてしまうので、筋トレの効果が薄くなってしまいます。
テストステロンの分泌を抑制しないためにも、飲み過ぎには注意しましょう。
脱水症状になる可能性がある

アルコールの分解には水分を使うため、脱水症状になる可能性があります。
また、アルコールには利尿作用があるため、体内の水分が排出されやすくなってしまいます。
筋肉には水分が多く含まれており、脱水状態になってしまうと、筋肉へ栄養がうまく行き渡りません。
体に大きな負担をかけないためにも、飲酒時にはしっかりと水を飲むよう心がけましょう。
睡眠が浅くなってしまう

お酒を飲むと睡眠が浅くなってしまいます。
アルコールの主成分である「アセトアルデヒド」という物質が、睡眠のサイクルを乱すと考えられているからです。
ちなみに、このアセトアルデヒドは2日酔い症状の主要因ともいわれています。
眠りが浅くなると、睡眠中に筋肉の合成や回復をしてくれる「成長ホルモン」が十分に分泌されず、筋肉の成長にも影響を及ぼすというわけです。
特に筋トレ後は、筋肉の回復のために良質な睡眠が必要です。
就寝前の飲酒は避けるようにしましょう。
体脂肪がつきやすい

お酒には糖質が含まれているため、体脂肪がつきやすくなってしまいます。
特に、ビールや日本酒には、糖質が多く含まれています。
また、揚げ物などの脂質やカロリーの高いおつまみも、体脂肪がつく原因になります。
糖質や脂質、カロリーの摂りすぎには注意しましょう。
ノンアルコールのお酒なら飲んでもいい?

アルコールをほぼ含まず、カロリーも低いのがノンアルコールの最大のメリット。
とはいえ、トレーニング中や筋トレ後に飲んでもいいのでしょうか?
トレーニングで水分が排出された状態だと、血液もドロドロな状態であり、身体は疲れてしまっています。
疲労回復を早め、カラダへの負担も減らすためにも水分補給が重要であり、ノンアルコールでも問題ありません。
ただし微量のアルコールが入っているものあるので、トレーニング中の水分補給には必ずアルコールゼロを選ぶこと。
さらに糖質が入っていては元も子もないので、糖質ゼロのものを選びましょう。
お酒を我慢するのではなく、気兼ねなく飲んでいいという気持ちの面でも、ノンアルコールには身体や心への負担が減らせるメリットがあります。
お酒を飲むときに抑えるべき6つのポイント

それでもやはりお酒を飲みたい方もいらっしゃると思います。
そんな時の対処法をお教えします!
以下の6つを意識すると、影響を最小限に抑えることができます。
1.アルコールの摂取量の制限
2.糖質が少ないお酒を選ぶ
3.水をたくさん飲む
4.おつまみは高タンパク・低脂質・低糖質なものを
5.トレーニング直後はなるべく避ける
6.筋トレ直後はお酒の前にまずプロテイン
それぞれについて詳しく解説します。
アルコールの摂取量の制限

当たり前かもしれませんが、これが一番いい対処法です。
中には、少量のアルコールであれば筋合成に影響を与えないとされる研究もあります。
アルコール分解能力には個人差があるため一概には言えませんが、具体的な目安は以下の通りです。
・ビールであればロング缶1本(500ml)
・日本酒であれば1合(180ml)
・ワインであれば2杯(200ml)
これはあくまでも目安で、量が少なくてもアルコール度数が高いものは悪影響をもたらすので、注意が必要です。
糖質が少ないお酒を選ぶ

糖質が多いお酒は、飲むと血糖値が急上昇しやすく、「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
インスリンは血糖値を一定に保つ役割があり、急上昇した血糖値を下げるために、糖を脂肪に変える働きがあります。
大量に分泌されるとたくさんの糖が脂肪に変わってしまい、せっかく鍛えた筋肉が脂肪で覆われてしまうなんてことになりかねません。
なので、筋トレ後のお酒には、血糖値が急上昇しないように糖質が少ないお酒を選ぶのがおすすめです。
お酒の糖質を比較すると以下のようになります。
お酒の種類 | 100mlあたりの糖質(g) |
---|---|
ビール | 3.1g |
発泡酒 | 3.6g |
缶チューハイ | 2.8g |
ワイン | 2.0g |
日本酒 | 4.9g |
紹興酒 | 5.1g |
梅酒 | 21.7g |
焼酎 | 0g |
ウイスキー | 0g |
ビールやワイン、日本酒、カクテル、サワーなどは、糖質が多く含まれているためおすすめできません。
糖質が少ない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選ぶようにすることで、飲んでも血糖値が上がりにくく、体脂肪の蓄積を防ぐことができます。
また、割り方にも注意が必要です。
ジュースなどで割ってしまうと、せっかく蒸留酒を選んでも、糖質が増えて脂肪がつく原因になります。
水や炭酸水で割る分にはカロリーが増えることもないので、水割りやハイボールなどはおすすめです。
水をたくさん飲む

筋トレ後はお酒ばかり飲まず、水分も多く摂るように意識することが大切です。
先述の通り、アルコールの分解には水分も必要です。
その上アルコールには利尿作用があるため体内の水分が排出されやすく、きちんと水分を摂らないと脱水症状を起こしやすくなるのです。
また、筋肉にも、筋肉に栄養を届ける血液にも、たくさんの水分が含まれています。
水分が足りなくなると、筋肉に十分な栄養を届けることができず、筋肉の成長を妨げてしまうのです。
なので、筋トレ後にお酒を飲むときは、一緒にお水もしっかり飲みましょう。
おつまみは高タンパク・低脂質・低糖質なものを

お酒の種類だけでなく、おつまみ選びも大切です。
せっかく低糖質なお酒を選んでも、おつまみでカロリーを摂りすぎてしまったら、脂肪が増える原因になってしまいます。
筋トレ後のお酒のおつまみには、高タンパク・低脂質・低糖質なものを選びましょう。
特にタンパク質を多く摂ることが大切です。
先述の通り、タンパク質は筋肉の材料でもあり、アルコールの分解にも使われます。
アルコールの分解のために筋肉の成長のために使われるタンパク質が不足しないよう、おつまみでしっかり摂りましょう。
筋トレ後におすすめのおつまみ
・焼き鳥
・冷奴
・お刺身
・ししゃも
・エイヒレ
・枝豆 など
トレーニング直後はなるべく避ける

筋トレや運動直後は、渇いた喉を潤すようにアルコールを摂取したい人もいるかもしれませんが、直後は避けましょう。
筋トレ直後は、普段よりアルコールが体内に吸収されるスピードが速く、酔いやすくなったり、脱水症状になりやすくなるなど危険です。
また、筋トレ直後は筋肉の合成が高まる重要な時間帯です。
ここでお酒を飲んでしまうと筋肉がスムーズに合成されなくなり、せっかくの筋トレの効果が薄くなってしまいます。
そのタイミングではアルコールの摂取は避け、プロテインなどタンパク質をしっかり摂取するようにしてください。
なので、筋トレ直後は飲酒厳禁です!
少なくとも1~2時間は時間を置くようにしましょう。
筋トレ直後はお酒の前にまずプロテイン

筋トレ後は、お酒の前にまずプロテインを摂るのがおすすめです。
プロテインとは効率よくタンパク質を摂るためのサプリメントのようなもの。
先述の通り、筋トレ直後は筋肉の合成が高まる重要な時間帯です。
筋トレでダメージを受けた筋肉が回復しようと、材料となるタンパク質を必要としています。
ここでタンパク質を補給することで、筋肉の回復をサポートし、筋肉の成長につながるのです。
だから筋トレ直後は、お酒の前にまずタンパク質を補給することが大事。
プロテインならより手軽に効率よくタンパク質が摂れるのでおすすめです。
まとめ

今回は、「お酒と筋トレの関係性」について解説しました。
そもそも、どうしても飲まなければならないときでなければ、筋トレ後のお酒はあまり飲まないようにするのがおすすめです。
せっかく鍛えた筋肉が分解されてしまったり、筋肉の合成が抑制されたりと、筋肉の成長を妨げてしまうことにつながり、筋トレの効果が下がってしまう可能性も。
どうしてもお酒を飲みたい時は、筋トレ後にお酒を飲むとどのようなデメリットがあるのかをしっかり理解した上で、お酒の種類やおつまみ選び、飲む量などいくつかのポイントを意識して、お酒を楽しむようにしましょう。
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