・トレーニングがマンネリ化してきた
・身体の引き締めを目的としてトレーニングをしたい
・怪我のリスクの低いトレーニングをしたい
この記事では、そんなお悩みを解決します!
通常のウエイトトレ―ニングは、筋肉に負荷を掛けた状態で筋肉を「収縮・伸展」させることで鍛えます。
一方スタティックホールド法は、筋肉に負荷をかけた状態のまま、筋肉の長さを変えずに鍛えるトレーニングメソッドです。
そのため、スタティックホールド法には、通常の筋トレでは得られない効果が期待できます。
今回は、そんなスタティックホールド法の概要やメリット・デメリット、詳しいやり方、注意点などについて解説していきます。
スタティックホールド法のことを詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
スタティックホールド法とは?

スタティックホールド法とは、筋肉の長さを変えないまま、一定の負荷を掛け続けるトレーニングのことです。
これを「等尺性収縮(アイソメトリック)」と言いますが、空気椅子などもスタティックホールド法のトレーニングの一例です。
力を入れながらも静止した状態で鍛える「静的なトレーニング」とも言えます。
セット法とは?

「セット法」は、筋トレの際に筋肉にかかる負荷を大きくするためのテクニックで、バリエーション豊富なセット法が存在します。
セットごとに負荷や種目を変えるやり方のため、筋肉に多様な刺激が与えられて、効率よく発達させられるのが共通の特徴です。
また、プログラムに変化がつくことによって、マンネリ化しにくく、筋トレに対するモチベーションが向上しやすい点もメリットとして挙げられます。
自分のレベルや目的に合ったセット法のトレーニングを実践することで、筋トレの効果アップを狙いましょう。
スタティックホールド法のメリット

スタティックホールド法をトレーニングに取り入れる主なメリットは、以下の6つです。
1.対象部位の引き締めに効果的
2.筋ストリエーションに効果的
3.筋力アップに効果的
4.筋トレ初心者の方が自宅でも取り組める
5.姿勢の改善に効果的
6.怪我のリスクが低い
それぞれについて詳しく解説します。
対象部位の引き締めに効果的

スタティックホールド法は、対象となる部位の引き締めに効果的です。
もし、トレーニングに取り組む目的が、身体の引き締めである場合、最適なトレーニング方法と言えます。
筋ストリエーションに効果的

ストリエーションとは、「筋(スジ)」と言う意味で、筋線維の束が皮膚の上から見える状態のことを意味します。
簡単に言うと、グッと力を入れたとき筋肉に現れるスジのことです。
この筋ストリエーションは、コンテストに出場されるようなボディビルダーなどのコンテスター向けの内容になりますが、評価を左右する重要な要素でもあります。
スタティックホールド法は、この筋ストリエーションの向上も期待できるのが特徴のトレーニングメソッドです。
筋力アップに効果的

スタティックホールド法は、一見すると動かない状態でジーっと我慢するトレーニングであるため、筋力アップに効果があるの?と感じる方も少なくないはず。
しかし、スタティックホールド法では、冒頭でも解説したように、一定の負荷を掛けたまま取り組むため、筋力アップの効果が期待できます。
言い方を変えると、力を発揮したまま耐えるため、筋肉を緊張させたまま鍛えることができます。
筋力を増やしたいけど、ウエイトトレーニングに取り組むには筋力的に不安があるという方におすすめのトレーニングメソッドです。
筋トレ初心者の方が自宅でも取り組める

一定の負荷をかけた状態で静止するスタティックホールド法は、筋トレ初心者でも気軽に取り組めるのが特徴で、筋力に不安がある方にも簡単に取り組めます。
また、トレーニング中は終始動作をしないため、広いスペースを確保する必要もなく、自宅で取り組む際も騒音によるご近所への迷惑になることもありません。
自宅で簡単に身体を引き締めたい方におすすめのトレーニングメソッドです。
姿勢の改善に効果的

スタティックホールド法は、姿勢改善や猫背改善といった効果も期待できます。
スタティックホールド法では、姿勢維持や姿勢支持に関与する全身の筋肉・体幹周辺の筋肉を中心に鍛えられるため、姿勢の改善や予防にも効果が期待できます。
特に、オフィスワークなどで姿勢の悪化が問題視されている現代社会において、日常的に取り組むことで美しい姿勢をキープすることは大切なことです。
怪我のリスクが低い

一般的なウエイトを利用した筋トレでは、筋肉に負荷を掛けた状態で関節動作を行うため、関与する関節・腱・筋肉を痛めてしまうリスクがあります。
特に、関節を痛めて怪我に繋がってしまうとトレ―ニングに取り組むことはおろか、日常生活にまで影響してしまう恐れがあります。
その点、関節を動かす動作を行うことのないスタティックホールド法は、関節・腱・筋肉への負担が軽いため、怪我のリスクが低いのが特徴。
特に関節周りに不安がある方でも安心して筋力を鍛えられるため、年齢関係なくおすすめなトレーニングメソッドです。
スタティックホールド法のデメリット

以下のデメリットを理解したうえで、メニューに取り入れるかどうかを検討しましょう。
1.筋肥大効果は期待できない
2.鍛える角度が限定的
それぞれについて詳しく解説します。
筋肥大効果は期待できない

筋トレを始めたばかりの時は、多少は筋肥大効果が期待できますが、中級者以上の筋トレに慣れた方にとっては負荷が弱いため筋肥大はしにくくなります。
ある程度筋肉が大きく肥大してきたら、ダンベルやバーベルなどの器具を利用して負荷を高めてトレーニングしましょう。
鍛える角度が限定的

スタティックホールド法は、関節運動を伴わない静的な等尺性筋収縮なので、筋肉を鍛える角度が制限されます。
筋肉全体をバランスよく鍛えるには、角度を変えながらトレーニングを行いさまざまな刺激を与えると効果的です。
スタティックホールド法のやり方

筋肉が収縮している時間を長くすることで筋肉を鍛えていくスタティックホールド法は、「スタッキングポイント」という挙げていく動作で一番きついポイントで静止することが重要です。
身体全体を鍛えるスタティックホールド法

横になった姿勢から、肘を曲げた片腕と足の2点を使って体を持ち上げます。
床についた腕は前方に伸ばし、逆の腕は腰に添えておきます。
そして、もう一方の片脚を伸ばしたまま上方へ引き上げたらポーズの完成。
この姿勢をキープすることで、負荷がかかる部位は腹=腹横筋、尻=中臀筋、太腿=大腿部外側、スネ=前脛骨筋といった身体の側面全体です。
さらに上方に引き上げた側の中臀筋にも効果があります。
30秒×3セットを目安に繰り返しましょう。
大胸筋・腹直筋・上腕三頭筋を鍛えるスタティックホールド法

胸と腕を鍛えるための王道メニューであるプッシュアップの静的動作バージョンがこちら。
通常のプッシュアップの姿勢から、両足を壁につき、身体を支えます。
そのまま胸が床スレスレになるように肘を90度曲げます。
このとき胸から腰、太腿、足までが一直線になるように身体を伸ばせばポーズ完成。
プッシュアップと同じく、大胸筋や上腕三頭筋を鍛えられるほか、姿勢を維持することで、腹直筋にも効果的に負荷をかけることができます。
30秒×3セットを目安に繰り返しましょう。
腹直筋上・下部を鍛えるスタティックホールド法

気になる腹を引き締めたいなら、腹筋を集中的に鍛えられるこのクランチが最も効果的。
仰向けの姿勢から両手足を伸ばして大の字に広げます。
次に両手と頭、左右の肩甲骨、そして両足を床から浮かせるとポーズ完成。
床との接地面が腰背部だけになるようにして支えるイメージです。
このとき腕と足が同じ高さになるように。
腹直筋の上部と下部をまんべんなく鍛えられます。
両手足を床スレスレまで近づけるとさらに負荷がかけられます。
30秒×3セットを目安に繰り返しましょう。
大腿四頭筋・大臀筋・内転筋・体幹を鍛えるスタティックホールド法

こちらは下半身を強化する大定番メニューであるスクワットの静的動作バージョン。
軽く足を開いて立った姿勢から膝を曲げて腰を落とします。
胸を張って、腕は真っすぐ下げて、頭はできるだけ高い位置をキープします。
このとき膝を90度に曲げて、太腿と床が平行になっていればポーズ完成。
スクワットと同じく、太腿表側の大腿四頭筋・尻の大臀筋・太腿内側の内転筋を鍛えられるほか、姿勢を維持することで体幹の強化にも効果があります。
30秒×3セットを目安に繰り返しましょう。
スタティックホールド法を行う際の注意点

スタティックホールド法に取り組む際は、一点だけ注意が必要です。
それは、「呼吸」です。
スタティックホールド法では、自然な呼吸をしながら取り組むことを意識しましょう。
力を入れた状態で姿勢をキープすると、ついつい息を止めてしまいがちですが、呼吸を止めないことが重要です。
呼吸を止めたまま取り組んでしまうと血圧の急上昇を引き起こすため、血圧に不安がある方は特に注意が必要です。
血圧の上昇は身体の負担となるため、呼吸を意識して取り組みましょう。
まとめ

今回は、筋肉の長さを変えないまま一定の負荷を掛け続けるスタティックホールド法について解説しました。
筋力に自信がない方・筋トレ初心者の方・関節に不安がある方には、簡単かつ安全に取り組めるスタティックホールド法がおすすめです。
まずは、スタティックホールド法で基礎筋力・体力をつけていくことで、身体機能を高めていきましょう。
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