・トレーニングがマンネリ化してきた
・筋肥大を目的としてトレーニングしたい
・短時間で効率よく効果的に筋肉を鍛えたい
この記事では、そんなお悩みを解決します。
「レストポーズ法」とは、セットの途中で限界がきた時点で、その場で数十秒間休息(レストポーズ)をとり、再びセットを継続するトレーニングメソッド。
レストポーズ法は、短時間で高負荷を与えられるので、筋肉の成長が停滞している方や、仕事で忙しく筋トレの時間を取れない方におすすめです。
今回は、そんなレストポーズ法の概要やメリット・デメリット、メニューの組み方、注意点などについて解説します。
レストポーズ法のことを詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
レストポーズ法とは?

「レストポーズ法」とは、意図的に重量や目標回数を高く設定し、セットの途中で限界がきた時点で、その場で数十秒間休息(レストポーズ)をとり、再びセットを継続して目標回数まで行うトレーニングメソッドです。
物理的刺激 | 筋トレによって筋肉に与えられる物理的なダメージのこと。 ・高重量でトレーニングを行う ・筋肉を伸展させて筋繊維を破壊する などで筋繊維に物理的なストレスを加え、十分な栄養と休養を摂ることで筋肥大が引き起こされます。 |
化学的刺激 | 筋肉は筋トレによって収縮されすぎたりすると血流が圧迫されて、回復に必要な酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。 この状況を意図的に作ることが「化学的刺激」です。 レストポーズ法では、インターバルを短く設定して筋肉が回復できていない状態で動作を続けます。 このことにより、血流が圧迫されて酸素や栄養素が筋肉に行き渡りにくくなることで、筋肉に化学的ストレスがかかります。 |
一般的に、筋肉の成長は上記の2つの要因で引き起こされると言われています。
普段なんとなく筋トレをしていると、物理的刺激は強く与えることはできますが、化学的刺激は十分に与えることはできません。
そして、この状態を続けていると筋肉が物理的刺激に慣れてしまい、停滞期を迎えてしまうのです。
化学的刺激を意図的に与えるには、短時間で筋肉を刺激し続けて血流を圧迫させ、酸素や栄養素が滞りにくい環境を作る必要があります。
通常は数セット行うことを前提とした負荷・回数設定を行いますが、1セットで限界を迎えるレストポーズ法を取り入れることによって、異なる刺激が与えられて筋肉の成長が促進される効果が期待できます。
セット法とは?

「セット法」は、筋トレの際に筋肉にかかる負荷を大きくするためのテクニックで、バリエーション豊富なセット法が存在します。
セットごとに負荷や種目を変えるやり方のため、筋肉に多様な刺激が与えられて、効率よく発達させられるのが共通の特徴です。
また、プログラムに変化がつくことによって、マンネリ化しにくく、筋トレに対するモチベーションが向上しやすい点もメリットとして挙げられます。
自分のレベルや目的に合ったセット法のトレーニングを実践することで、筋トレの効果アップを狙いましょう。
レストポーズ法のメリット

レストポーズ法を活用すると、トレーニング時間を短縮しながら効果を向上させることが可能。
「筋肉の追い込みが不十分」「時間効率が悪い」「筋肥大を実感しにくい」など、これまでのトレーニングにありがちだった悩みを解決できます。
こちらでは、レストポーズ法のメリットについて具体的に解説していきます。
メリットを理解してトレーニングに取り入れましょう。
1.筋肥大に効果的
2.停滞期を乗り越えられる
3.トレーニング時間の短縮
それぞれについて詳しく解説します。
筋肥大に効果的

レストポーズ法の最大の特徴は、自分の気が済むまで追い込み続けることができるということ。
短いインターバルで不完全に回復した筋肉でさらに数レップ行うことで、限界を超えた刺激を与えることできます。
そのため筋肉にかかる物理的刺激が大きくなり、筋肥大効果が期待できます。
停滞期を乗り越えられる

筋トレを長期間続けていると必ずと言っていいほど突き当たる問題が、発達停滞期(プラトー)。
毎回同じような内容のトレーニングを繰り返していると、トレーニングの刺激に対して筋肉が慣れてしまい、成長が滞ってしまいます。
この停滞期を打破するために有効なのが、普段のトレーニングでは得られないような限界を超えた新鮮な刺激です。
普段はセットを終えるポイントからさらにレップを繰り返していくレストポーズ法は、
・限界を超えた刺激
・普段得られない新鮮な刺激
を得るにはぴったりのトレーニングメソッド。
筋肉の慣れを防ぎ、成長し続けるためにもレストポーズ法は有効です。
トレーニング時間の短縮

レストポーズ法では、
レップ→短いインターバル→レップ→短いインターバル→…
というサイクルを繰り返すことで、1セットでも限界まで追い込むことができます。
そのため、時間があまりない中でもしっかりと筋肉を追い込みたいという方におすすめのトレーニングメソッドです。
レストポーズ法のデメリット

以下のデメリットを理解したうえで、メニューに取り入れるかどうかを検討しましょう。
1.休み癖がつく可能性がある
2.怪我のリスクが高まる
それぞれについて詳しく解説します。
休み癖がつく可能性がある

レストポーズ法は限界を迎えたら意図的に短いインターバルを挟みますが、余力があるのにインターバルを挟んでセットをこなすという誤った方法で行っている方がいます。
回数やセット数は多くこなしているので追い込んだ気分になるかと思いますが、各セットで余力を残している時点でレストポーズ法を行う意味がなくなってしまいます。
このように、余力があるのにインターバルを挟む癖がつくと、限界まで追い込みをかける耐久性がなくなってしまうので注意しましょう。
怪我のリスクが高まる

レストポーズ法は限界まで余力を絞り切る方法ですが、無理に回数を重ねようとするとフォームが崩れてしまい怪我に繋がる可能性があります。
高重量を限界回数上げることはもちろん重要ですが、あくまで正しいフォームをキープできる限界の範囲で行いましょう。
レストポーズ法の組み方

今回はベンチプレスを例として、レストポーズ法のセットの組み方について解説していきます。
①MAX重量の80〜90%の重量設定をする
②6〜8回挙げる
③20〜30秒インターバルを挟む
④限界まで挙げる
⑤20〜40秒インターバルを挟む
⑥限界まで挙げる
⑦セット完了
このように、最初は限界まで挙げて、短いインターバルを挟んでわずかに残っている余力を出し切るのがレストポーズ法です。
この際、最初に限界まで力を出し切らなければいつまでも1〜3回はできてしまいます。
したがって、3セット目で限界を迎える重量・回数設定を行い、4セット目では良くて1回挙げられるかどうかまで追い込むことが重要です。
レストポーズ法は①〜⑦までを1セットとカウントします。
重量を落として複数セットを行うのもいいですが、レストポーズ法は最後のセットの追い込みに使用されるのがほとんどです。
したがって、最初は通常通りのインターバルで行い最後のセットでレストポーズ法を用いて余力を絞り切るといった使い方が効果的です。
レストポーズ法を行う際の注意点

レストポーズ法は効果の高いセット法である反面、やりすぎるとオーバーワークに陥りやすいトレーニングメソッドです。
初心者の場合は2週間に各種目1セット程度、中級者の場合は1週間に各種目1セット程度、上級者の場合は1週間に各種目2セット程度が適切です。
また、本セット法は1人でも行えますが、力尽きてしまった場合を考え、必ずセーフティーバーのついた器具で行ってください。
レストポーズ法の効果についての研究論文

レストポーズ法にどのような効果があるかを検証した研究の内容とその結果がいくつか発表されています。
こちらでは、その中から3つの科学的根拠を紹介します。
いずれもレストポーズ法による効果が現れているため、効果を理解してレストポーズ法に取り組むことができるでしょう。
レストポーズ法のトレーニングボリューム
20名のトレーニング経験者を用い、4週間に渡って週2回のベンチプレスを行った研究があります。
80%1RMで4セットをインターバル2分で行った「普通群」と、限界まで追い込んでから短インターバルで行う「レストポーズ群」とで比較しました。
その結果、筋力や筋活動に大きな違いは見られませんでした。
しかし「重量×レップ」を計算したところ、普通群は38315lbsだったのに対し、レストポーズ群は56778lbsとなり、仕事量としてはレストポーズ群が大きなアドバンテージを得ました。
つまり、最初のセットで追い込むことにより、トータルで大きな仕事量を得ることができたという結果に。
レストポーズ法の筋肥大効果
「80%1RMで限界まで行い、20秒のインターバルを挟みつつ、トータルで18レップス行う」群と、「80%1RMで6レップス3セット、インターバル2分でトータル18レップス」群とで比較した研究があります。
その結果、上半身は同程度の発達だったのに対し、足はレストポーズ群のほうが筋肥大効果が大きいということがわかりました。
モーターユニットの動員
「モーターユニット」とは、一本の神経と、それが支配する筋繊維の塊のこと。
高重量を扱ったり、爆発的な動作を行ったりするときには、多くのモーターユニットが動員されます。
14名のトレーニング経験者を用い、80%1RMの重量で20レップスのスクワットを行った研究があります。
A群は4レップで5セットをインターバル3分、B群は4レップで5セットをインターバル20秒、C群はレストポーズ法で、最初のセットで可能な限りのレップを行い、その後は20秒のインターバルで合計20レップになるまで行いました。
その結果、レストポーズ群がもっとも高いモーターユニットの動員数でした。
内側広筋は8.4%、大腿二頭筋は46.1%、脊柱起立筋は41.1%の筋活動増加が起こっていました。
なお合計20レップを行うまでに、A群は780秒、B群は140秒、レストポーズ群は103秒かかっていました。
最も短い時間で終了したことから、短時間でトレーニングを終了させたい場合にも有効であることがわかります。
まとめ

今回は、短時間で筋肥大効果が期待できるレストポーズ法について解説しました。
物理的・化学的刺激の両者にアプローチして、適切に行えば非常に有効なトレーニングです。
さらに、普段とは違う刺激を与えられるので、停滞期を乗り越えるのにも効果的です。
忙しくて時間がない方や、普段の筋トレに慣れを感じてしまっている方は、レストポーズ法を試してみてください。
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