・トレーニングがマンネリ化してきた
・筋肥大を目的としてトレーニングをしたい
・限界を超えて追い込みたい
この記事では、そんなお悩みを解決します。
チーティング法は、挙上限界をむかえたセット終盤で、一般的にはNGとされている「反動」をあえて使って数レップを挙上することで筋肉を追い込むトレーニングメソッドです。
本来、筋トレでは、反動などを利用したチーティングトレーニングはNGとされています。
しかし、場合によってチーティング法を取り入れることは、トレーニング効果を向上させ、筋肥大に効果的な影響を及ぼします。
そこで今回は、チーティング法の概要やメリット・デメリット、詳しいやり方、種目による相性、コツや注意点などについて解説していきます。
チーティング法のことを詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
チーティング法とは?

チーティング(cheating)とは、「だます」「反則」「ずる」といった意味の英単語。
具体的には、反動を使ったり、他の筋肉を動員して通常では上げられない重量でトレーニングしたりすることで、筋肉に高い負荷をかけることができます。
チーティング法は、主に上半身種目に対して行われます。
チーティングの原動力となる筋肉は、下半身の筋肉群で、具体的な動作としては「膝の屈伸」と「足首の伸展」の勢いを利用します。
一方チーティングに対して、正確なフォームで、できる限り対象筋のみの力でトレーニングすることをストリクト法といいます。
セット法とは?

「セット法」は、筋トレの際に筋肉にかかる負荷を大きくするためのテクニックで、バリエーション豊富なセット法が存在します。
セットごとに負荷や種目を変えるやり方のため、筋肉に多様な刺激が与えられて、効率よく発達させられるのが共通の特徴です。
また、プログラムに変化がつくことによって、マンネリ化しにくく、筋トレに対するモチベーションが向上しやすい点もメリットとして挙げられます。
自分のレベルや目的に合ったセット法のトレーニングを実践することで、筋トレの効果アップを狙いましょう。
チーティング法のメリット

チーティング法をトレーニングに取り入れる主なメリットは、以下の3つです。
1.筋肥大に効果的
2.マンネリ化を防ぐ
3.瞬発力を鍛えられる
それぞれについて詳しく解説します。
筋肥大に効果的

チーティング法を活用して、通常のストレートセットに加えてより高い負荷をかけることで、筋肥大効果が期待できます。
通常は1セット10回しかできないトレーニングでも、チーティングを使えば12回できるかもしれません。
そのプラス分が、通常のトレーニングとは異なる新鮮な負荷を筋肉に与えるため、より効率的に筋肥大が実現できます。
マンネリ化を防ぐ

トレーニングを続けて行く限り、マンネリ化は避けられません。
・トレーニングの刺激に慣れてきた
・使用重量が伸びなくなった
など、停滞を感じる場面は必ずと言っていいほどやってきます。
そんな時に大切なのが、トレーニングの刺激や強度を変えるということ。
普段はストリクトにトレーニングすることがほとんどだと思うので、時々チーティング法を使って大きな負荷をかけていくことで、筋肉の慣れを防いで停滞を打破できるということです。
また、チーティングを使うと普段よりも高重量を扱えるようになるので、チーティング法で高重量を扱うことに慣れておき、普段のストリクトなトレーニングでの使用重量もアップさせるという目的でチーティング法を使うのは有効です。
瞬発力を鍛えられる

チーティング法は、単に筋肥大を目的としたトレーニングメソッドに留まりません。
反動を利用してウエイトを持ち上げるという動作は、「バリスティックトレーニング」にもなるためです。
バリスティックトレーニングは、一気に加速して動作を行うトレーニングです。
チーティング法にて反動をつけ、バリスティックトレーニングを行うことで瞬発力を鍛えることができます。
チーティング法のデメリット

以下のデメリットを理解したうえで、メニューに取り入れるかどうかを検討しましょう。
1.怪我のリスクが高まる
2.フォームが崩れやすい
3.慣れるまでは難しい
それぞれについて詳しく解説します。
怪我のリスクが高まる

チーティング法は、いわば本来のフォームで限界がきてから、無理やり動作を続けて高負荷をかけていくというトレーニング方法です。
当然身体へのダメージは大きくなりますし、高重量を扱えてしまうので腱や関節への負担も大きくなります。
また、反動を使うときにはどうしてもフォームが崩れてしまうので、思わぬ怪我につながることも。
怪我無く安全に行うことはトレーニングの大前提なので、十分注意して取り入れましょう。
フォームが崩れやすい

反動をつけることで、フォームが崩れてしまうことが懸念されます。
トレーニングでは、基本的に反動をつけず、正しいフォームで行うことが良いとされています。
反動を使うのはスタッキングポイント1を超える時だけで、それ以外は正しいフォームでトレーニングを行うことを意識しましょう。
慣れるまでは難しい

チーティング法は反動を使うトレーニング法ですが、やみくもに反動を使っていてはあまり効果がありません。
ストリクトで限界を迎えてから反動を使うということが、チーティング法を有効活用するためのポイントです。
しかし、筋トレ初心者のうちは、そもそもストリクトで限界近くまで追い込むことが難しいため、チーティングを上手く活かせません。
また、反動を使うからこそ普段よりもターゲットへの意識を高めないと、補助筋へ負荷が逃げてしまい、ターゲットを追い込めずに無駄に疲れるだけになってしまうことも。
そのため、慣れないうちは、対象筋への意識を特に集中して動作することを心掛けましょう。
チーティング法のやり方

チーティング法の反動のつけ方には、ポイントがあります。
反動のつけ方を間違えると、単に楽をすることになってしまい、効果が出ないので注意しましょう。
チーティング法を効果的に行うために理解しておきたいのが、スタッキングポイントです。
「スタッキングポイント」とは、たとえばベンチプレスでバーベルを通常のフォームで上げる場合、もうこれ以上挙げられないという限界点のこと。
始めは通常の動作でバーベルを上げていき、スタッキングポイントが来たら反動を使ってさらに上げるというのがチーティング法の具体的なやり方です。
特に重要なのは、スタッキングポイントを超える時だけ反動を利用し、力を加えるということ。
スタッキングポイントを超えた後も、反動を加えながらトレーニングを行ってしまうと、鍛えたい部位に適切な負荷がかからなくなってしまいます。
チーティング法は、スタッキングポイントを超える時だけ利用するものということを理解して取り入れましょう。
チーティング法に適した種目・適さない種目

チーティング法は、本来の正確なフォームをあえて崩して無理やり高負荷をかけていくトレーニングテクニック。
そのため、種目との相性があるので、取り入れる際は注意する必要があります。
チーティング法に適した種目

ベントオーバーロー
ベントオーバーローは、上手くチーティングを使うとセット終盤の追い込みが効率的にできるトレーニング種目で、主に膝関節屈伸の反動を使います。
デッドリフト同様、上半身を反らせる反動を使うと腰に爆発的な負担がかかりますので避けるようにしてください。
ケーブルローイング
ケーブルローイングは比較的簡単にチーティングを使用できるトレーニング種目で、膝屈伸によって行います。
チーティングを行う時に上半身を倒しすぎると、負荷が背筋から逃げてしまうだけでなく、腰を痛めるリスクがありますので十分に注意してください。
バーベルカール
バーベルカールは、チーティング法に適したトレーニング種目の代表的なものですが、挙上(上腕二頭筋のコンセントリック収縮|短縮性収縮)のために使うのではなく、ウエイトの重さに耐えながら下ろす(上腕二頭筋のエキセントリック収縮|伸張性収縮)のために行います。
具体的には、膝屈伸の反動を使ってバーベルを挙げ、そこからゆっくりと耐えながらバーベルを下ろしていく時に効かせる、といったやり方です。
チーティング法に適さない種目

筋トレBIG3を始めとした、高重量でなおかつ全身の筋肉を連動させるコンパウンド種目は、チーティング法に適しません。
なお、BIG3種目(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)が適さない理由は、以下の通りです。
ベンチプレス:チーティングとしてバーベルを胸の上でバウンドさせると胸骨損傷のリスクがある
デッドリフト:上半身を反らせる動作で反動を使うと腰椎損傷のリスクが高すぎる
スクワット:膝屈伸による反動を使うと膝関節損傷のリスクが高すぎる
チーティング法を行う際のコツ・注意点

チーティング法は、コツを掴むことで誰にでも使用することができますが、多くの注意点が存在し、技術なく使用することはとても危険です。
こちらでは、普段の筋トレにチーティング法を取り入れるときのコツ・注意点について解説します。
1.反動は最小限に
2.ネガティブ動作の追い込みを意識する
3.チーティング法の後にはストリクト法で
4.オーバーワークに注意
それぞれについて詳しく解説します。
反動は最小限に

スタッキングポイントを迎えた状態では、ウエイトをさらに持ち上げることはできませんが、状態の維持は可能です。
この状態で、たとえ少しでも持ち上げる方向に力が加わればトレーニングを継続することができます。
そのため、反動を必要以上に加える必要はありません。
反動を使うと楽に持ち上げることができますが、筋肉への刺激は小さくなります。
この反動の勢いをうまく制御しなくてはならないことから技術が必要と言われています。
ネガティブ動作の追い込みを意識する

筋肉の収縮様式の動的収縮には、短縮性収縮と伸張性収縮があります。
アームカールで例えると、肘を曲げていく動作を短縮性収縮(ポジティブ)、肘を伸ばすとき伸張性収縮(ネガティブ)が働いています。
この2つの収縮様式を共に鍛えることで筋肥大効果を得られます。
ですが、先に限界が来るのは短縮性収縮で伸張性収縮には余力が残ります。
そこでチーティング法を用います。
ポジティブの限界を迎えたら、チーティング法を活用して重力に逆らうネガティブをゆっくりと動作します。
これにより、伸縮性収縮を追い込むことができ、筋肥大効果を最大限得ることができます。
チーティング法の後にはストリクト法で

チーティング法は単独トレーニングでも筋肉を追い込める便利なトレーニングテクニックですが、多用は禁物です。
チーティング法ばかり使っていると、反動を使って挙上する動作が上手になっていき、肝心の筋肉に対する負荷がかかっていない見せかけばかりのトレーニングにもなりかねません。
チーティング法を行った後は、軽めの重量で全く反動を使わずに動作するストリクト法で仕上げのトレーニングをすることをおすすめします。
オーバーワークに注意

チーティング法は、限界を迎えてからさらに筋肉を追い込む方法です。
そのため、オーバーワークに陥りやすいので注意が必要です。
オーバーワークは、筋肉が限界を迎えているため、大きな怪我の原因となります。
チーティング法は、常に使うことは避け、停滞期やマンネリを感じたときのみに時々使うことをおすすめします。
まとめ

今回は、狙った筋肉を追い込むためのトレーニングテクニックとしてチーティング法について解説しました。
一般的にNGとされている反動を使うチーティング法ですが、使い方によってはトレーニング効果を向上させ、筋肥大に有効な手段にもなり得ます。
・より追い込みたい人
・マンネリ化を打破したい人
は、ぜひチーティング法を試してみてください!
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