・トレーニングがマンネリ化してきた
・筋力アップと筋肥大を目的としてトレーニングをしたい
・短時間で効率よく効果的に筋肉を鍛えたい
この記事では、そんなお悩みを解決します!
ドロップセット法は、短時間で筋肉を追い込めるトレーニング方法として、忙しい方や筋トレで伸び悩み中の方に高い人気があります。
長期間筋トレを続けていると、オールアウトが難しくなり筋力アップや筋肥大の効果が得られにくくなります。
そのような悩みがあるなら、ドロップセット法を試してみるのはいかがでしょうか。
これまで行ってきた基本のストレートセット法と異なり、ドロップセット法なら筋肉を最大限まで追い込むことができます。
しかし、高い効果が得られる一方、やり方を間違えてしまうと怪我のリスクが高まります。
正しいやり方や注意点を把握して、効果が得られるようにしなければなりません。
そこで今回は、ドロップセット法の概要やメリット・デメリット、目的別のメニューの組み方、おすすめの筋トレメニュー、行う際のコツ・注意点、科学的根拠について解説していきます。
ドロップセット法のことを詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
ドロップセット法とは?

「ドロップセット法」は、短時間の間に限界まで筋肉に負荷と刺激を与えることで、効率良く筋肥大が期待できるトレーニングメソッドです。
ドロップセット法の特徴は、インターバルを極力なくした状態でトレーニングを行うこと。
また、徐々にウエイトを軽くして、筋肉のオールアウトを目指すことの2つです。
最初は負荷が重いものから始め、セットごとに数十%ずつ負荷を軽くしながら行います。
できるだけインターバルを挟むことなく反復運動を繰り返し、常に限界まで追い込むことが必要となる方法です。
1セットを8~12回程度に定め、反復動作がギリギリ可能である重量設定にします。
2セット目は重量を20~30%落とし、インターバルなしですぐに行わなければなりません。
2セット目を限界まで行った後は、再び重量を20~30%落とし、さらに限界までトレーニングを続けます。
以上の手順を、1種目につきトータル4~5セット行うトレーニングプログラムが、ドロップセット法です。
セット法とは?

「セット法」は、筋トレの際に筋肉にかかる負荷を大きくするためのテクニックで、バリエーション豊富なセット法が存在します。
セットごとに負荷や種目を変えるやり方のため、筋肉に多様な刺激が与えられて、効率よく発達させられるのが共通の特徴です。
また、プログラムに変化がつくことによって、マンネリ化しにくく、筋トレに対するモチベーションが向上しやすい点もメリットとして挙げられます。
自分のレベルや目的に合ったセット法のトレーニングを実践することで、筋トレの効果アップを狙いましょう。
ドロップセット法のメリット

ドロップセット法を活用すると、トレーニング時間を短縮しながら効果を向上させることが可能。
「筋肉の追い込みが不十分」「時間効率が悪い」「筋肥大を実感しにくい」など、これまでのトレーニングにありがちだった悩みを解決できます。
こちらでは、ドロップセット法のメリットについて具体的に解説していきます。
メリットを理解してトレーニングに取り入れましょう。
1.追い込みやすい
2.トレーニング時間の短縮
3.効率よく筋肥大を狙える
それぞれについて詳しく解説します。
追い込みやすい

従来のストレートセット法だと、一定の重量でレップ(反復回数)を3セット繰り返すため、トレーニング強度の調整が難しいという欠点がありました。
終了時点で筋肉への刺激が足りていなかったり、反対にすぐ限界を超えてしまって過度な負担をかけてしまっては、理想的なトレーニングとは言えません。
ドロップセット法は、負荷を少しずつ減らしながらインターバルなしで筋肉を追い込んでいく方法で、無駄なく筋力を使い切ることができます。
分かりやすいように極端な例えをすると、筋力の限界を10とした場合、従来のやり方では1レップあたり3の筋力で3セット取り組むので3+3+3=9で終了。
ただ、ドロップセット法だと4+3+2+1=10という限界まで筋肉を使った取り組み方ができるのです。
トレーニング時間の短縮

通常のストレートセット法では、トレーニングのためにインターバルの時間を必要とします。
一方、ドロップセット法ではインターバルを挟まないため、その分トレーニング時間が短くなります。
そのため、時間があまりない中でもしっかりと筋肉をオールアウトさせたいという方におすすめのトレーニング法です。
効率よく筋肥大を狙える

ドロップセット法は、通常のやり方よりも筋肉を限界ギリギリのところまで追い込めることが強み。
通常より大きな負荷がかかるので、筋肉が強く収縮して血流を停滞させます。
血流の停滞によって酸素が筋肉へ供給されなくなると、乳酸やクレアチンといった代謝物質が生産されて、「成長ホルモン」を分泌します。
その結果、筋肥大を促しやすくなるのです。
筋力向上の効果は通常のやり方と大きく変わらないので、筋力よりも筋肥大を優先したい方におすすめです。
ドロップセット法のデメリット

以下のデメリットを理解したうえで、メニューに取り入れるかどうかを検討しましょう。
1.フォームが崩れやすい
2.自宅で行うのは難しい
3.初心者向きではない
それぞれについて詳しく解説します。
フォームが崩れやすい

短時間でオールアウトを目指すセット法のため、トレーニング中にかかる負荷は大きくなります。
その結果、オーバートレーニングや正しくないフォームでのトレーニングになってしまうことが多く、怪我をしてしまうリスクもあります。
したがって、筋トレを始めたばかりの人ではなく、ある程度慣れた人が取り入れるといいでしょう。
自宅で行うのは難しい

インターバルを取らずに重量を変えていくというのは、サポートや設備、機材が整っていないと難しいでしょう。
たとえば、大胸筋を鍛える目的でドロップセット法を取り入れる場合は、チェストプレスマシンなどがないと難しいです。
初心者が自宅で行おうとしても、簡単にはできないというのもデメリットです。
初心者向きではない

ドロップセット法では連続して重量を下げていくのですが、そもそも普段のメインセット重量が軽ければ、その下げ幅を十分にとることができません。
また、フォームがまだ固まっていない筋トレ初心者がドロップセット法を実践すると、後半の体力が消耗した状態でフォームが崩れてしまい、トレーニング効果の半減や、怪我、事故などに繋がります。
そのため、筋トレを始めたばかりの人は、何ヶ月かトレーニングを続けてから、ドロップセット法をメニューに取り入れましょう。
中・上級者が慣れない種目を行う場合も同様です。
ドロップセット法の組み方

ドロップセット法の組み方は、トレーニングの目的によって、2通りあります。
・筋力アップが目的の場合
・筋肥大が目的の場合
以下で詳しく解説するので、自分の目的に合ったメニューの組み方を選びましょう。
筋力アップが目的の場合

筋力アップの効果を狙うには、回数よりもなるべく高負荷を扱うことを優先します。
そのため、最初に選ぶ負荷は、3~5回で限界となるような負荷を選択しましょう。
1.3~5回挙上する
2.20%下げた負荷に変えて限界回数まで挙上する
3.さらに20%下げた負荷で限界回数まで挙上する
上記の手順1~3を1セットとして数えましょう。
2セット以上行う場合は、セット間でインターバルを取りましょう。
「限界まで」とは、動作スピードが落ちる、または姿勢が崩れる直前までを言います。
筋肥大が目的の場合

筋肥大をさせるには、ある程度の負荷で回数を重ねて、より多くの筋繊維を使い切るようにします。
そのため、最初に選ぶ負荷は8~10回で限界となるような負荷を選択しましょう。
1.8~10回挙上する
2.30%下げた負荷に変えて限界回数まで挙上する
3.さらに30%下げた負荷で限界回数まで挙上する
こちらも上記の手順1~3を1セットとして数えます。
2セット以上行う場合は、セット間にインターバルを取りましょう。
筋肥大を狙う際の「限界まで」とは、姿勢が崩れる直前までを言います。
動作スピードはある程度落ちても問題ありません。
ドロップセット法におすすめの筋トレメニュー

ダンベルやバーベルなどのウエイトで負荷調節するトレーニングなら基本的にドロップセット法が可能ですが、特に相性の良い筋トレメニューに取り入れることで時間を短縮しながらより大きな効果を期待できます。
こちらでは、ドロップセット法を取り入れるのに最適な筋トレメニューを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.ダンベルコンセントレーションカール
2.ダンベルフライ
それぞれについて詳しく解説します。
ダンベルコンセントレーションカール
ダンベルコンセントレーションカールは、上腕二頭筋を中心に腕の筋肉を鍛えるためのトレーニング。
ダンベルを握ってフラットベンチに座り、真下に下ろした腕の肘をゆっくり曲げては伸ばす動作を繰り返します。
座った姿勢で取り組むので、異なる重量のダンベルに交換しやすく、ドロップセット法を取り入れやすいトレーニングです。
交換に必要なダンベルを足元に揃えて取り組めば、休みなく続けられてドロップセット法のメリットを十分に得られるでしょう。
ダンベルフライ
ダンベルフライは、大胸筋や三角筋を中心とした上半身の筋肉を鍛えるためのトレーニング。
フラットベンチに仰向けで横たわり、ダンベルを握って天井方向へ上げた腕を左右に広げては戻す動きを繰り返します。
ダンベルフライはウエイトにダンベルを使うトレーニングなので、異なる重量のダンベルと交換しやすく、ドロップセット法と相性バッチリです。
ただし、仰向けになるフォームなので、一人だけで行うとダンベル交換時に少し動きが止まることに。
ダンベルを交換してくれる人とペアで行えば、よりドロップセット法を効果的に行うことができるでしょう。
ドロップセット法を行う際のコツ・注意点

ドロップセット法を行う際のコツ・注意点として、以下の7つが挙げられます。
ドロップセット法の効果を半減させないために、大切なポイントです。
1.回数は数えずに行う
2.チーティングを活用する
3.ダンベルやマシンを使用する
4.フォームを崩さないように意識する
5.オーバーワークに注意する
6.糖質を摂取する
7.経験者やトレーナーと一緒に行う
それぞれについて詳しく解説します。
回数は数えずに行う

ドロップセット法で重要なことは、反復動作を何回行えたかではなく、筋肉を限界まで追い込めたか否かです。
トレーニングの回数を数えてしまうと、ある程度できた段階で気持ちが満足してしまい、追い込み切れないまま重量を下げてしまう可能性があります。
まずは回数を気にせず一動作ごとに丁寧に行い、上がらなくなった段階で重量を下げることを繰り返しましょう。
チーティングを活用する

「チーティング」とは、反動や他の筋肉の力を使って動作を行うことです。
通常のトレーニングでは、反復動作の際に反動などを使うと、本来のトレーニング効果が減ってしまうことにつながります。
しかし、ドロップセット法においては多少のチーティングを取り入れることで、筋肉を最後まで追い込むことが可能です。
ただし、チーティングはフォームが崩れやすいうえ、通常よりも負荷が高くなる方法です。
怪我のリスクも高まるため、全ての動作にチーティング法を導入することは避け、ギリギリ上がるかどうかわからないときだけ利用しましょう。
ダンベルやマシンを使用する

ドロップセット法を行うためには、ダンベルやマシンの使用が必須です。
ダンベルを使用する場合も、フリーウエイトタイプではなく、繰り返すセット数分のダンベルを事前に準備する必要があります。
インターバルを挟まないことが重要となるドロップセット法では、ウエイトプレートを交換する時間も邪魔になるためです。
できるだけ少ない時間と手間でウエイトを切り替えられる、ダンベルやマシンを活用しましょう。
フォームを崩さないように意識する

ドロップセット法はインターバルなしで最後までやりきるため、フォームが崩れやすいのがデメリット。
後半の体力が消耗した状態では、フォームが崩れてしまうこともあります。
ただ、フォームが崩れたままトレーニングしても、負荷が分散して効果が出にくくなったり、目的外の筋肉を鍛えてしまったりすることも。
ドロップセット法でトレーニングする場合は、常に正しいフォームを意識することが重要。
特に初心者は、正しいフォームでトレーニングができるようになってから取り入れるようにしましょう。
オーバーワークに注意する

ドロップセット法は、短時間でオールアウトを目指すため、筋肉への負荷が高いトレーニング方法です。
強度の高いトレーニングを繰り返すため、筋肉へのダメージが大きく、筋線維が回復する時間もより長い時間が必要とされます。
通常のトレーニングよりも疲労が溜まりやすくなることから、トレーニングの上級者であっても、オーバーワークに陥りやすい傾向です。
初心者の場合はよりオーバーワークになりやすく、通常のトレーニングを行うよりも、得られる効果が下がりかねません。
筋肉を必要以上に追い込んでしまうと、怪我のリスクが高まるので注意が必要です。
ドロップセット法を実施する際は、ある程度トレーニングの経験を積み、オーバーワークにならないようメニューを調整してください。
糖質を摂取する

ドロップセット法の目的の1つは、成長ホルモンを分泌させるために、乳酸を筋肉に溜め込むことです。
乳酸はブドウ糖などが体内で分解・代謝されてできるものです。
糖質の摂り過ぎは肥満につながりますが、同時に十分な量を摂取しなければ、筋肥大に必要な乳酸の生成ができません。
自分の身体に必要となる糖質の量を計算して摂取することで、効率の良い筋肥大効果が期待できます。
経験者やトレーナーと一緒に行う

ドロップセット法は単純なやり方のように感じますが、実際に取り組む場合は負荷に対する経験が要求されます。
経験の浅い人が取り入れても、重量の下げ幅を適切に設定できず、効率的なトレーニングに繋がりません。
また、インターバルなしで重量を変えていくため、ダンベル等のウエイトを数多く揃える必要があり、自宅で取り組むには難しい一面も。
筋トレ初心者の方がドロップセット法を取り入れる場合、なるべくジムに通って経験者やトレーナーにアドバイスを求めるようにしましょう。
ドロップセット法の効果についての研究論文

ドロップセット法にどのような効果があるかを検証した研究の内容とその結果がいくつか発表されています。
こちらでは、その中から2つの科学的根拠を紹介します。
いずれもドロップセット法による効果が現れているため、効果を理解してドロップセット法に取り組むことができるでしょう。
ドロップセット法の筋肥大効果について

ドロップセット法が与える筋力と筋肥大の効果を測定した研究が、2018年に発行された「THE JOURNAL OF SPORTS MEDICINE AND PHYSICAL FITNESS」に記載されています。
そこでは8人ずつの2つのグループに、トライセプスプッシュダウンをそれぞれドロップセット法と通常のセット法に分けて6週間実施されました。
上腕三頭筋の断面積測定結果(筋肥大)
・ドロップセットグループ → 10%±3.7%増加
・通常セットグループ → 5.1%±2.1%増加
上腕三頭筋の筋力測定結果(筋力アップ)
・ドロップセットグループ → 16.1%±12.1%
・通常セットグループ → 25.2%±17.5%
この結果から、ドロップセット法は通常のセット方法に比べて筋肉を増加させることに優れている方法だと結論付けられています。
負荷の違いによる筋肥大効果について

また、2018年の3月に順天堂大学で発行されている「順天堂スポーツ健康科学研究第9巻」には、ドロップセット法と高負荷トレーニング(1RMの80%)、さらに低負荷トレーニング(1RMの30%)と3つのグループを比較した研究が記載されています。
高負荷トレーニングでは最大筋力、低負荷トレーニングでは持久力が最も効果が高い結果でした。
しかし、ドロップセット法では、それぞれの最大値には劣るものの、両方の効果が同時に上昇する結果が出ています。
さらに、筋肥大はすべてのトレーニング方法で同じ程度増加していることから、ドロップセット法はより短い時間で筋力、筋持久力、さらに筋肥大の効果を同時に向上させると結論付けられました。
まとめ

今回は、ドロップセット法の効果やメニューへの取り入れ方、注意点などについて解説しました。
正しい方法でドロップセット法を実施することで、短い時間でより多くの筋肥大効果が望めるため、トレーニングにあまり時間を取れない方にもおすすめのトレーニングメソッドです。
また、トレーニングに慣れてきて、最近効果が実感できないという方も、怪我などに注意しながらドロップセット法を取り入れたメニューに挑戦してみてください。
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