・トレーニングがマンネリ化してきた
・立体感のある筋肉を手に入れたい
・効率よく効果的にパンプアップしたい
この記事では、そんなお悩みを解決します。
「コンパウンドセット法」とは、一つの筋肉部位に対して連続で種目を実施することにより、強い負荷を筋肉に与えることができるトレーニングメソッド。
メイン筋肉に集中して刺激を与えるこの方法は、パンプアップ(筋肉の張り)や筋肥大の効果が期待できます。
今回は、そんなコンパウンドセット法の概要やメリット・デメリット、メニューの組み方、胸・背中・肩・腕・足の部位別のメニュー例、注意点などについて解説します。
コンパウンドセット法のことを詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
コンパウンドセット法とは?

一般的なトレーニングでは、一つの筋肉に対しインターバルを挟みながら1セットずつトレーニングをしていきます。
これに対して、「コンパウンドセット法」とは、一つの筋肉に対して複数(主に2種目)の種目をインターバルをはさまずに連続して行うトレーニングメソッドです。
非常に強い負荷が筋肉に加わるので、特に刺激に筋肉が慣れてしまって起こる発達停滞期(プラトー)の打破に有効とされています。
ちなみに、3種目連続で行う「トライセット法」、4種目以上連続で行う「ジャイアントセット法」はコンパウンドセット法の一種です。
セット法とは?

「セット法」は、筋トレの際に筋肉にかかる負荷を大きくするためのテクニックで、バリエーション豊富なセット法が存在します。
セットごとに負荷や種目を変えるやり方のため、筋肉に多様な刺激が与えられて、効率よく発達させられるのが共通の特徴です。
また、プログラムに変化がつくことによって、マンネリ化しにくく、筋トレに対するモチベーションが向上しやすい点もメリットとして挙げられます。
自分のレベルや目的に合ったセット法のトレーニングを実践することで、筋トレの効果アップを狙いましょう。
コンパウンドセット法のメリット

コンパウンドセット法を活用すると、トレーニング時間を短縮しながら効果を向上させることが可能。
「筋肉の追い込みが不十分」「時間効率が悪い」「筋肥大を実感しにくい」など、これまでのトレーニングにありがちだった悩みを解決できます。
こちらでは、コンパウンドセット法のメリットについて具体的に解説していきます。
メリットを理解してトレーニングに取り入れましょう。
1.トレーニング時間の短縮
2.パンプアップ効果
3.新鮮な刺激によって停滞期を乗り越えられる
それぞれについて詳しく解説します。
トレーニング時間の短縮

コンパウンドセット法は、種目間のインターバルを挟まないため、トレーニング時間が短縮できます。
さらに、コンパウンドセット法はかなり強度の高いトレーニングなので、普通のトレーニングよりも早く体力的な限界が来ます。
そのため、時間があまりない中でもしっかりと筋肉を追い込みたいという方におすすめのトレーニングメソッドです。
パンプアップ効果

コンパウンドセット法では、2種目をインターバル無しで行うという特性上、筋肉に力が入った時間が長くなります。
筋肉の収縮時間が長くなるということはすなわち、血管が押しつぶされている時間が長くなるということです。
すると筋肉に運ばれる血流が制限され、筋肉内に乳酸などの無酸素性代謝物が溜まりやすくなります。
これがいわゆる「パンプアップ」です。
筋肉に乳酸などが溜まると筋肉内の代謝環境が悪化し、その環境に適応するために筋肥大が起こりやすくなります。
コンパウンドセット法は、パンプアップ効果を高めることで筋肥大にも有効ということです。
新鮮な刺激によって停滞期を乗り越えられる

筋トレで筋肉を成長させるためには、筋肉に刺激を慣れさせないということがとても大切になってきます。
しかし、いつも決まった種目や回数、セット数でトレーニングしていると、筋肉がトレーニングで与えられる刺激に慣れてしまい、成長速度も遅くなってしまいます。
その点、コンパウンドセット法を取り入れることで、同じ部位を狙ったトレーニングを連続で行うという特性上、通常のトレーニングでは感じにくい、新鮮な刺激が得やすくなります。
そのため、トレーニングのマンネリ化対策や停滞期の打破にコンパウンドセット法は有効です。
コンパウンドセット法のデメリット

以下のデメリットを理解したうえで、メニューに取り入れるかどうかを検討しましょう。
1.怪我のリスクが高まる
2.ジムではやりにくいことも
それぞれについて詳しく解説します。
怪我のリスクが高まる

コンパウンドセット法には、
・強度が非常に高い
・筋肉を回復させる時間が短い
という特徴があります。
そのため疲労が溜まりやすく、筋肉の回復も遅れてしまいます。
コンパウンドセット法の後半になってくると、疲労や肉体的な限界から、フォームが崩れてしまうことも多いでしょう。
過度な疲労やフォームの乱れは、腱や関節の怪我やオーバートレーニングに直結します。
ジムではやりにくいことも

コンパウンドセット法は、複数種目を同時に行うため、ダンベルやバーベルといった器具を占領してしまいます。
そのため、ジムによってはコンパウンドセット法を禁止している場所もあり、常に周りの目を気にしなくてはいけないといったデメリットもあります。
コンパウンドセット法の組み方

トレーニング種目には、複数の関節と筋肉を同時に動かす「コンパウンド種目」と単一の関節と筋肉だけを動かす「アイソレーション種目」とがあり、前者のほうが高重量を扱えるため高負荷になります。
2種目を連続で実施するコンパウンドセット法では、基本的に1種目のコンパウンド種目と1種目のアイソレーション種目を組み合わせますが、この順番を間違えると効果が薄くなります。
正しい順番として、高重量高負荷種目から低負荷低重量種目の順で行う筋トレの基本通り、コンパウンド種目→アイソレーション種目の順で行いましょう。
コンパウンド種目を最大重量の70%で8~10レップ
↓
アイソレーション種目を最大重量の70%で8~10レップ
基本的にセット間は、インターバルをとらないでトレーニングを行います。
コンパウンドセット法の具体的なメニュー例

こちらでは、コンパウンドセット法の具体的なメニュー例を筋肉の部位別に紹介します。
1.大胸筋のコンパウンドセット法
2.背筋群のコンパウンドセット法
3.三角筋のコンパウンドセット法
4.上腕三頭筋のコンパウンドセット法
5.上腕二頭筋のコンパウンドセット法
6.大腿四頭筋のコンパウンドセット法
7.ハムストリングのコンパウンドセット法
それぞれについて詳しく解説します。
大胸筋のコンパウンドセット法

①まずはじめに、腕立て伏せ・チューブチェストプレス・ダンベルプレス・マシンチェストプレス・バーベルベンチプレスなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、チューブチェストフライ・ダンベルフライ・マシンチェストフライなどのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
背筋群のコンパウンドセット法

①まずはじめに、懸垂・チューブラットプル・ダンベルローイング・ラットマシンプルダウン・バーベルベントオーバーローなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、チューブリバースフライ・ダンベルショルダーシュラッグ・バーベルショルダーシュラッグなどのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
三角筋のコンパウンドセット法

①まずはじめに、パイクプッシュアップ・チューブショルダープレス・ダンベルショルダープレス・マシンショルダープレス・バーベルショルダープレスなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、チューブサイドレイズ・ダンベルサイドレイズ・ケーブルデルタレイズなどのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
上腕三頭筋のコンパウンドセット法

①まずはじめに、ナロー腕立て伏せ・ダンベルトライセプスプレス・バーベルナローベンチプレスなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、チューブキックバック・ダンベルキックバック・ケーブルトライセプスプレスダウン・バーベルフレンチプレスなどのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
上腕二頭筋のコンパウンドセット法

①まずはじめに、逆手懸垂・チューブドラッグカール・バーベルドラッグカールなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、チューブカール・ダンベルカール・ケーブルカール・バーベルカールなどのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
大腿四頭筋のコンパウンドセット法

①まずはじめに、スクワット・チューブレッグプレス・ダンベルスクワット・マシンレッグプレスなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、シースクワット・ダンベルレッグエクステンション・マシンレッグエクステンションなどのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
ハムストリングのコンパウンドセット法

①まずはじめに、ブルガリアンスクワット・ダンベルフロントランジ・バーベルフロントランジなどのコンパウンド種目を実施します。
②次にインターバルをとらずに、チューブレッグカール・ダンベルレッグカール・マシンレッグカール・などのアイソレーション種目で筋肉を追い込みます。
各種目の詳しいやり方は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
コンパウンドセット法を行う際の注意点

コンパウンドセット法を行う際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
コンパウンドセット法の効果を半減させないために、大切なポイントです。
1.オーバーワークに注意
2.トレーニングに慣れてから取り入れる
3. 1種目目は高重量で2種目目は低重量
それぞれについて詳しく解説します。
オーバーワークに注意

コンパウンドセット法は、筋肉に対する負荷が非常に強い方法なので、多用するとオーバーワークに陥ってしまいます。
そのため、コンパウンドセット法を取り入れるのは、1部位につき週に1回程度、多くても週に2回くらいがおすすめです。
むしろ、これ以上の頻度でコンパウンドセット法ができてしまう場合は、トレーニングの強度が足りていない可能性が高いです。
その場合には、
・使用重量を上げる
・フォームを改善する
などによって、1回のトレーニングの質を改善していくのがいいでしょう。
トレーニングに慣れてから取り入れる

これまで紹介してきたように、コンパウンドセット法は、
・強度が高い
・インターバルが短い
・疲労が溜まりやすい
と、比較的難易度の高いトレーニングです。
最後まで正しいフォームでやり切り、怪我や疲労の蓄積を抑えるには、ある程度のトレーニングへの慣れが必要になってきます。
筋トレ初心者の方は、いきなりコンパウンドセット法を取り入れるのではなく、最初の数カ月程度は通常のストレートセット法で身体を慣らしていくのがいいでしょう。
1種目目は高重量で2種目目は低重量

コンパウンドセット法を行う際には、1種目目と2種目目で扱う重量を変えるのがおすすめです。
1種目目は、高重量を扱い、大きな物理的ストレスを与えていきましょう。
2種目目は、疲労が溜まってフォームが崩れやすくなるため、軽めの重量できっちりコントロールしながら行うのがおすすめです。
このように重量を変えることで、
・フォームの乱れによる怪我を防止しやすい
・1セットで異なる2種類の刺激が与えられる
というメリットがあります。
まとめ

コンパウンドセット法を取り入れることで、短時間で十分に筋肉に負荷をかけることができます。
さらに、普段とは違う刺激を与えられるので停滞期を乗り越えるのにも効果的です。
忙しくて時間がない方や、普段の筋トレに慣れを感じてしまっている方は、コンパウンドセット法を試してみてください。
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