・トレーニングがマンネリ化してきた
・ウエイトトレーニングで扱う重量を向上させたい
・効率よく効果的に筋肉を鍛えたい
この記事では、そんなお悩みを解決します!
「アセンディングセット法」(Ascending pyramid system)はピラミッド法のバリエーションのひとつであり、アセンディング・ピラミッドとも呼ばれています。
筋肥大効果よりも最大筋力の向上に高い効果があるメソッドとされており、パワーリフティングやスポーツの身体能力をアップさせたい方にとっては大きなプラスになる方法です。
今回は、そんなアセンディングセット法の概要やメリット・デメリット、メニューの組み方、行う際の注意点について解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
もくじ
アセンディングセット法とは?

「アセンディングセット法」とは、セットを重ねるたびに使用重量を増加させ、反復回数(レップ数)を減少させて最終的には4〜5レップ程度で限界がくる高重量セットでオールアウトするトレーニングセット法です。
ピラミッドセット法の前半部分だけを切り取ったバリエーションです。
ピラミッドセット法の後半部分を切りとり、筋肥大に最適化したディセンディングセット法とは対照的なメソッドで、主に最大筋力の向上に有効であるとされています。
逆に、筋肥大を目指すのであればディセンディングセット法を活用することをおすすめします。
セット法とは?

「セット法」は、筋トレの際に筋肉にかかる負荷を大きくするためのテクニックで、バリエーション豊富なセット法が存在します。
セットごとに負荷や種目を変えるやり方のため、筋肉に多様な刺激が与えられて、効率よく発達させられるのが共通の特徴です。
また、プログラムに変化がつくことによって、マンネリ化しにくく、筋トレに対するモチベーションが向上しやすい点もメリットとして挙げられます。
自分のレベルや目的に合ったセット法のトレーニングを実践することで、筋トレの効果アップを狙いましょう。
アセンディングセット法のメリット

アセンディングセット法のメリットは大きく分けて4つあります。
1.最大筋力の向上
2.正しいフォームが身につく
3.調整がしやすい
4.怪我のリスクが低下する
それぞれについて詳しく解説します。
最大筋力の向上

アセンディングセット法は、一度に発揮できる力(最大筋力)を増大させたり、最大の重さを挙げるための神経系を向上させたりするという目的で行われます。
この最大重量をアップさせることは、トレーニングの質の向上にもつながります。
1RMに近い高重量を扱うと、その動作に関与する神経系の発達が促されるので、
・筋肉を効率よく動かす
・筋肉から効率よく力を引き出す
ということができるようになり、その結果、
・最大筋力の向上
・使用重量の向上
が期待できます。
しかし、アセンディングセット法でも最初の方のセットでは、通常のセット方法と同じく筋肉に負荷をかけることができるので、筋肥大効果が全く期待できないというわけでもありません。
正しいフォームが身につく

次第に重量を上げていくので、トレーニングフォームが崩れにくいというメリットもあります。
正しいフォームを確認しながら重量をアップしていくことができるので、きれいなフォームを保ちやすいのです。
正しいフォームを身につけることは、狙った部位に適切な刺激を与えることや怪我の防止にもつながる重要なことです。
調整がしやすい

アセンディングセット法を行うときには、最大筋力を計算して、5セットで到達できる目標を最初に掲げます。
そのため、怪我明けや回復力が弱っているとき、調子が悪いときなど、普段とは体調が違う場合に対応しやすくなるのです。
重量のアップ幅を小さくしたり、レップ数を数回ずつ抑えたりすることで調整がしやすいというメリットがあります。
怪我のリスクが低下する

アセンディングセット法では、最初は低重量高レップから始めるので、高重量のメインセットに移るまでに十分に腱や関節を温めておくことができます。
高重量に移る前に、その日の調子やフォームを確認できるのも良い点です。
少しづつ重量を上げるということが、怪我のリスクを下げる役割を担っています。
アセンディングセット法のデメリット

以下のデメリットを理解したうえで、メニューに取り入れるかどうかを検討しましょう。
1.時間がかかる
2.トレーニングボリュームが稼ぎにくい
それぞれについて詳しく解説します。
時間がかかる

アセンディングセット法は、軽めの重量からMAXに近い重量まで、少しずつ重量をアップさせていく方法。
そのため、必然的にこなすべきセット数は増えてしまいます。
インターバルが長めに必要なこともあり、トレーニング時間はかなり長くなってしまいがち。
忙しい人や短時間でトレーニングを済ませたい人には向かない方法と言えるでしょう。
トレーニングボリュームが稼ぎにくい

近年のフィットネス界では、筋肥大には、トレーニングのトータルボリューム(使用重量×レップ数×セット数)が大きく関与しているというのが定説です。
筋肥大には、オーバートレーニングにならない範囲でボリュームを増やしていくというのが有効です。
その点、アセンディングセットでは、MAX重量の90%で1〜2レップというセットがメインセットになります。
重量は大きいもののレップ数が少なく、筋肉にかかる負担も大きいためセット数もこなしにくい。
そのため、ボリュームを稼ぐという観点からは、アセンディングセットは最適な方法とは言えません。
アセンディングセット法の組み方

アセンディング(上昇)という言葉通り、少しずつ使用重量を上げ、それに反比例してレップ数は下げていくものです。
アセンディングセット法の具体的な組み方例は、以下の通りです。
1セット目:最大筋力の50%で12レップス
2セット目:最大筋力の60%で10レップス
3セット目:最大筋力の70%で8レップス
4セット目:最大筋力の80%で6レップス
5セット目:最大筋力の85%で4レップス
インターバルは3~5分程度、長めにとってセット間でしっかり筋肉を休ませましょう。
筋肉が完全に回復した状態で次セットにトライすることがポイントです。
※負荷重量設定とレップ数はトレーニングの経験値・最大筋力により変動しますので、あくまで初心者〜中級者向けの設定例です。
このセット例で、最大筋力が100kgだとすると、
1セット目:50kg×12回
2セット目:60kg×10回
3セット目:70kg×8回
4セット目:80kg×6回
5セット目:85kg×4回
というように行っていきます。
全体を4〜5セットで構成して、最終セットでは4〜5回で限界になる重量がおすすめです。
アセンディングセット法を行う際の注意点

アセンディングセットは、最終セットがもっとも高重量設定になるため、途中で力尽きることが多いトレーニング方法です。
そのため、必ず補助者をつけるかセーフティバーを使って行うようにしてください。
まとめ

今回は、筋力向上に有効なトレーニング方法としてアセンディングセット法について解説しました。
筋力や使用重量を伸ばしていくことは、筋トレの基礎ともいえる大切な要素。
また、最大筋力の向上が期待できるだけでなく、正しいフォームが身につくということで、実際にトレーニングに取り入れているフィジーカーやボディビルダーも多いです。
ぜひ、アセンディングセット法をいつものトレーニングに取り入れて、理想の身体を目指しましょう!
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