・健康的な身体づくりやダイエットのために何を食べたらいいの?
・タンパク質は1日にどのくらい摂取したらいいの?
・タンパク質はどんな食べ物から摂るのが効率的なの?
この記事では、そんなお悩みを解決します!
タンパク質は、筋肉を作るために摂取すべきエネルギー産生栄養素の1つです。
タンパク質が多い食材を食事に取り入れることで、理想のボディラインを目指すことができます。
効率よく身体を鍛えるためには、タンパク質を摂取する重要性や1日に必要な摂取量について知っておくことが大切です。
そこで今回は、タンパク質の1日の摂取目安量や効率的に摂取できる食べ物などについて解説します。
健康な身体作りやダイエットのために、タンパク質を積極的に摂取したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
筋肉と食事摂取の関係

筋肉は、タンパク質でできており、タンパク質を含んだ食品が身体に入ってから、さまざまな栄養素を介して筋肉となります。
食事を制限することでエネルギー不足に陥ると、筋肉量も減ってしまう可能性があります。
身体がエネルギー源として筋肉内にあるアミノ酸を放出し、それによりタンパク質の分解が増え、その結果筋肉量が減少してしまいます。
それだけではなく、食事制限でエネルギーの摂取が減ることで、タンパク質の合成も減り、せっかくのトレーニングの成果が発揮できなくなってしまいます。
また、筋肉(骨格筋)は安静時でのエネルギー消費量が身体の部位の中で総合的に最も多い組織のひとつで、筋肉が増えれば増えるほど、何もしていなくても必要なエネルギーが増加するということになります。
高タンパク低脂質食材はダイエットにおすすめ

高タンパクな食事は、私たちの永遠の課題である「ダイエット」の強い味方となります。
その理由の一つは、高タンパクな食事を食べたときに小腸から分泌される「コレシストキニン(CKK)」というホルモンによって、満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止に役立つからです。
また、三大栄養素の一つであるタンパク質は、そのほかの炭水化物や脂質に比べて最も脂肪になりにくい性質を持っています。
同じカロリーを摂取するにしても、脂肪として蓄えられにくいのは、ダイエット中にはとてもありがたい存在です。
さらに、タンパク質は中性脂肪を分解するリポタンパク質「リパーゼ」をつくる材料となるため、ダイエットにおすすめの栄養素といえるでしょう。
1日あたりのタンパク質の摂取目安量

タンパク質は、身体づくりの材料となり、エネルギー源としても使われる栄養素です。
タンパク質は、ほかの栄養素から作り変えることができないため、食事からタンパク質を摂取する必要があります。
人によって身体の大きさや活動量が異なるため、1日のタンパク質摂取目安量には個人差があります。
ここでは、自分に適したタンパク質量を確認していきましょう。
1日のタンパク質推奨量と目標量

厚生労働省が5年ごとに改定を行っている「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日に摂取したいタンパク質量が示されています。

(参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
参照日:2022年5月15日
食事摂取基準で定められているタンパク質量は、性別や年齢によって数値が異なります。
表のうち、推奨量は最低限摂取したい量です。
目標量は、「%エネルギー」で示されており、幅があることがわかります。
これは、おおむねの値であり、身体の大きさや活動量などに合わせて調整していきましょう。
例えば私の場合で計算してみます。
25歳男性の最低限摂取したい推奨量は65gです。
必要なエネルギー摂取量は、こちらのサイトで計算すると、約3500kcal/日なので、目標量は13~20%エネルギーですから455~700kcalとなります。
タンパク質は1gにつき約4kcalなので、重量にすると、114~175gです。
このように、目標量を目安として、タンパク質を摂取していきます。
活動量が増えるとタンパク質量も多くなる

活動量が多い人は、少ない人と比べるとエネルギー消費量が多くなるため、必要なエネルギー摂取量も増えます。
同時に「%エネルギー」で示されているタンパク質量も増えていきます。
日本人の食事摂取基準では、「身体活動レベル別に見たタンパク質の目標量」も示されています。

(参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
参照日:2022年5月15日
身体活動レベルは、「Ⅰ:低い」「Ⅱ:ふつう」「Ⅲ:高い」の3段階で分けられています。
具体的には、身体活動レベルⅠは、生活の大部分が座っていることが多い場合です。
身体活動レベルⅡは、デスクワーク中心の仕事ですが、通勤や買い物での歩行、軽く運動を行っている場合となります。
身体活動レベルⅢでは、移動や立っていることが多い仕事をしていたり、筋トレなど活動量の多い運動を行っていたりする場合が該当します。
例えば私の場合を見てみると、
25歳男性で筋トレをしている身体活動レベルⅢなので、目標量は99~153gです。
この他にも、身長が高い人や体重が重い人は、筋肉量が多く、エネルギー消費量が多い傾向があります。
エネルギー消費量の変動に合わせて、目標量の範囲で調整していきましょう。
高タンパク低脂質な食材

野菜類・いも及びでん粉類は、食物繊維やビタミン類が豊富です。
一方で、タンパク質含有量は少ない傾向にあります。
タンパク質を多く含む主な食材は、下記の5つです。
・肉類
・魚介類
・卵類
・乳製品
・豆類
これらの食材は、アミノ酸スコア(タンパク質量と必須アミノ酸のバランスを示す数値)が高く、健康維持や筋力アップ効果が期待できます。
肉類

肉類の中で、高タンパク低脂質でおすすめなのは以下の食材です。
食材名 | タンパク質(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
---|---|---|
鶏むね肉(皮なし) | 23.3g | 1.9g |
鶏ささみ | 23.9g | 0.8g |
ラム肉ロース(皮下脂肪なし) | 22.3g | 5.2g |
馬肉 | 20.1g | 2.5g |

鶏肉は、皮があると脂質量が多くタンパク質が少なくなります。
摂取カロリーを抑えたい場合は、皮なしの鶏肉を選びましょう。
豚肉・牛肉は、脂身がない部位を選ぶことがポイントです。
肉類には、赤血球を作り出す「鉄分」、炭水化物の代謝に必要な「ビタミン類」、タンパク質の吸収に必要な「ミネラル」も豊富に含まれています。
魚介類

魚介類は、全般的に高タンパク低脂質な種類が多いのが特徴です。
中でもおすすめなのは、以下の食材です。
食材名 | タンパク質(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
---|---|---|
かれい | 19.6g | 1.3g |
べにざけ | 22.5g | 4.5g |
まだい | 20.6g | 5.8g |
すけとうだら | 17.4g | 0.1g |
まだら | 17.6g | 0.2g |

魚介類には、肉類と同じように豊富なタンパク質が含まれています。
肉類に比べて筋の部分が少ないため、消化しやすいことが特徴です。
また、魚の脂に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には、中性脂肪やコレステロールを低下させる作用があるため、脂質異常症・高血圧などの生活習慣病の予防にもおすすめの食材です。
一方で、肉の脂は、魚の脂と相反する働きがあるため、肉よりも魚を食べることが推奨されています。
かまぼこ

かまぼこの主原料は、タラなどの白身魚です。
すり潰した白身魚に卵白などを加えて練り、蒸して作られます。
100gあたりのタンパク質は12.0g、脂質が0.9gと高タンパク低脂質な食材です。
卵類

全卵100gあたりのタンパク質は12.2g、脂質が10.2gです。
しかし、卵白のみであれば100gあたりのタンパク質が10.1g、脂質はTr(微量)です。
よって、より高タンパク低脂質な食材として摂取したい場合には、卵白のみを使用するとよいでしょう。

卵は「食物繊維」「ビタミンC」以外の栄養素をすべて含むことから、完全栄養食と呼ばれるほど栄養価に優れています。
また、肉類に比べて脂肪量が低い食材です。
卵黄には「ビタミンA」「ビタミンE」が多く、卵白には「ビタミンB2」「カルシウムが豊富に含まれています。
乳製品

牛乳は100gあたりタンパク質が3.3g、脂質は3.8g含まれます。
より脂質を抑えた乳製品を摂取したい人は、低脂肪・無脂肪タイプの乳製品がおすすめです。

牛乳のタンパク質には、カルシウムの吸収を助ける「カゼインホスホペプチド」や鉄分の吸収を調節する「ラクトフェリン」も含まれています。
牛乳が苦手な人は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を食事に取り入れながら、良質なタンパク質を摂取しましょう。
豆類

「畑の肉」と呼ばれる大豆には、タンパク質が豊富に含まれています。
また、タンパク質のほかに食物繊維・ビタミンB群・ビタミンK・カリウムなどの栄養素も豊富です。
納豆や豆腐などの大豆製品は、高タンパク低脂質な食材です。
豆腐は充填豆腐、絹ごし豆腐、木綿豆腐の順に高タンパク低脂質となっています。

ただし、豆類に含まれる植物性タンパク質は、肉類や魚介類に含まれる動物性タンパク質に比べて体内への吸収率がやや劣ります。
植物性タンパク質だけに頼らず、動物性タンパク質もバランスよく摂取することが大切です。
コンビニや外食時に手軽に食べられるもの

コンビニで手に入る高タンパク低脂質のものを紹介します。
手軽に手に入るコンビニの食品は、間食にうまく利用すると良いでしょう。
・サラダチキン
・焼き鳥(タレより塩)
・ゆで卵
・プロセスチーズ
・魚の缶詰
・蒸し大豆
・ギリシャヨーグルト
・するめ
・豆乳
・スモークチキン
・焼きちくわ(でんぷん不使用のものがあればなお良い)
高タンパク低脂質食材を摂取する際の7つのポイント

高タンパク低脂質の食材を効果的に摂取するためには、いくつかポイントがあります。
1.食事を摂るタイミング
2.筋トレ前後の食事
3.食材はバランスよく組み合わせる
4.脂の多い皮や脂肪部分は取り除く
5.なるべく赤身の多い部位を選ぶ
6.ビタミンB6と合わせて摂る
7.プロテインの活用
それぞれについて詳しく解説します。
食事を摂るタイミング

食事を摂るタイミングは、筋肉をつけるために気をつけるべきことのひとつです。
なぜなら、食事を摂るタイミングによって、筋肉合成や脂肪燃焼、トレーニングのパフォーマンスなどにおいて、成果が左右されるからです。
食事をとらずに空腹状態での練習は好ましくありません。
空腹で練習しないことやトレーニング後速やかに栄養補給することが重要です。
トレーニング前にはグリコーゲンの原料である炭水化物を、トレーニング後は、すみやかに炭水化物とタンパク質を摂取するようにしましょう。
トレーニング後の補食はその後の食事に支障をきたさないようにしましょう。
そのために、基本的にトレーニング開始前は2〜3時間前(自分の胃の中のものが消化される時間をわかっておくと良い)、トレーニング終了後にはなるべく早くに食事(補食)がとれるようにスケジュールを組み立てましょう。
筋トレ前後の食事

筋トレ前の食事は、筋トレを開始する2時間前を目安に済ませるようにしておきましょう。
基本的に、タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維・脂質の揃った食事をします。
炭水化物は抜かずに適量をとり、筋トレで力を十分に発揮するのに必要なエネルギーを補給しておきましょう。
必要な栄養素は不足なく揃えるのが基本ですが、その後に激しく身体を動かすため、食事メニューはできるだけ消化に負担のないものにしておくことが重要です。
また、消化を促すためによく噛んで食べることも重要です。
筋トレ後の食事は、2回に分けて摂ることがおすすめです。
まず、筋トレ終了から45分以内を目安に、筋トレで傷ついた筋肉に素早くタンパク質を補給しましょう。
プロテインなどを利用するのも良いでしょう。
もし、疲労が激しい場合はフルーツなどの糖質をプラスすることをおすすめします。
その後、炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維・脂質の揃ったバランスの良い定食スタイルでの食事を摂り、体に必要な栄養をしっかりと補給しましょう。
食材はバランスよく組み合わせる

高タンパク低脂質の食材ばかりを摂取すると、他の栄養素が不足して体調を崩す恐れがあるため、避けなければなりません。
タンパク質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンをバランスよく摂取すると、健康維持やダイエットの成功につながります。
タンパク質は、植物性・動物性を組み合わせると、お互いに足りない栄養素を補えて、栄養バランスが整います。
脂の多い皮や脂肪部分は取り除く

食材を工夫をすることで、高タンパク低脂質な食事のレパートリーは増えます。
鶏もも肉や牛肉、豚肉を食べる場合には、脂の多い皮や脂肪部分を取り除いてください。
摂取する脂質を減少できてヘルシーになります。
ささみや鶏胸肉も皮や脂肪を取り除くことで、さらに低脂質の食材になります。
なるべく赤身の多い部位を選ぶ

いわゆる赤身と呼ばれる部位は、タンパク質を効果的に吸収するミネラルも多く含みます。
鉄分や亜鉛、カルシウムなどのミネラルはエネルギーにはなりませんが、タンパク質や脂質などの分解や合成を助けるため、健康維持や体調管理には欠かせない栄養素です。
牛肉ではランプ・もも、豚肉はもも・ひれの部位に多く含まれます。
魚では、マグロ・カツオ・ブリ・イワシなどの回遊魚が赤身の魚として分類されます。
ビタミンB6と合わせて摂る

ビタミンB6はタンパク質の代謝・分解に必要な、タンパク質の摂取量と比例して必要量が増加する栄養素です。
肉や魚などの動物性食品、サツマイモ、アボカドなどの植物性食品に含まれますが、動物性食品のほうが体内での利用効率が良いとされています。
代表的な食材として、牛・豚レバー、鶏ささみ、マグロ(赤身)・カツオ・サバ・鮭などがあります。
ビタミンB6を含む食材を取り入れた食事にプロテインをプラスすることで、タンパク質の摂取量が増加して、代謝をよりスムーズに促してくれます。
補食としての摂取はバナナがおすすめです。
バナナにもビタミンB6は多く含まれるので、バナナ&プロテインはタンパク質の利用効率を上げる組み合わせといえるでしょう。(参照:白鳥早奈英「知っておきたい栄養学」学研パブリッシング)
プロテインの活用

余分なカロリー・脂肪摂取を抑えて、タンパク質を補給したいとき、食事のプラスアルファとしてプロテインを活用するのもおすすめです。
プロテインは商品によってタンパク質の含有量が異なります。
タンパク質含有量が多いものほど、純粋なタンパク質補給に適したものといえます。
パッケージに記載されている栄養成分表示を必ず確認しましょう。
主食・主菜・副菜とバランスのとれた食事にプロテインを1杯プラス。
食事の間隔が開いてしまうときは補食としての活用もおすすめです。
食事で炭水化物をしっかり摂ったうえで、プロテインをプラスするとタンパク質が体内に吸収されやすくなります。
まとめ

健康的な身体づくりやダイエットを行う人は、高タンパク低脂質な食材を意識的に摂取しましょう。
タンパク質を摂取したいときは、単一の食材ばかりでなく肉→魚→大豆などローテーションをして、いろいろな食材を使ってみましょう。
栄養バランスが整うだけではなく、さまざまな栄養素を摂ることが期待できます。
タンパク質を積極的に摂取して理想の身体を目指しましょう!
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